札幌大通高 キャリア教育優良校　文科大臣表彰の栄誉　系統的な探究活動等評価され

（札幌市 2024-03-22付）

札幌大通高・キャリア教育表彰

　市立札幌大通高校（池田吉利校長）は、第１６回キャリア教育優良教育委員会、学校およびＰＴＡ団体等文部科学大臣表彰を受賞した。総合的な探究の時間を軸とした、３年間を見通した系統的な探究活動などを通して、多様な生徒のニーズに応じたキャリア教育を推進していることなどが評価された。池田校長は「これまで取り組んできた先進的な取組が評価されてうれしい。携わってきた全ての人に感謝したい」と喜びを述べた。

　表彰は、キャリア教育の充実・発展に尽力し、顕著な功績が認められた教委、学校、ＰＴＡ団体をたたえ、キャリア教育の充実を促進することを目的としている。

　１６回目となる５年度は、教委８団体、学校９８団体、ＰＴＡ団体４団体の計１１０団体を選出した。

　初の栄誉をつかんだ札幌大通高は、平成２６年度から校務分掌にキャリア教育推進部を位置付け「社会に出て、たくましく生きられる生徒」、いわゆる「自立した札幌人」の育成を目指したキャリア教育に取り組んでいる。

　全学年を対象とした総合的な探究の時間「ＤＯＲＩ―ｔｉｍｅ」では、１年生は「自分を知る」、２年生は「挑戦する」、３年生は「発信する」、４年生は「実現する」を目標に設定し、系統的な探究学習を展開。様々な人との関わりや経験を通して、生徒が自ら見いだした課題や解決策について発表する機会を創出している。

　１・２年生対象の「キャリアプランニング」では、社会の中で必要とされる基礎的なスキル、具体的な勤労観・職業観について学ぶ機会を設定。１年生で自他理解を深めるグループワーク、２年生でインターンシップやソクラテスミーティング（職業人講話）などを位置付けている。

　また、学校間連携プログラムやボランティアなどの活動を単位認定する学校設定科目「キャリア探究」、アルバイト経験を単位認定する「ＯＪＴ」などを通して、進路探究に関わる学校外での活動を推進している。

　このほか、教科横断的な体験学習として「ミツバチプロジェクト」を推進。校内での養蜂活動を中心に、商品開発、販売、広報、会計処理など１次産業から３次産業までの一連の流れを体験させるもの。

　地元企業や関係機関などと連携しながら、より実社会に近い「本物の体験」の機会を提供している。

　キャリア教育推進部長の藤井靖香教諭は「１人１台端末の導入や新型コロナウイルス感染症の拡大などによって世の中の価値観が変わってきている。これを踏まえ、時代に合わせたキャリア教育を推進していきたい」と話した。

　池田校長は「今まで築き上げてきたものを継続するとともに、さらにブラッシュアップして、生徒のニーズに合わせて進化させていきたい」と力を込めた。

(札幌市 2024-03-22付)