1定札幌市議会予算特別委(19日)
(札幌市 2024-03-22付)

◆不登校児を対象に自然体験活動実施 野外教育推進事業

 札幌市教委の木村良彦生涯学習部長は19日の第1回定例市議会予算特別委員会で、6年度から開始する野外教育総合推進事業の概要を明らかにした。

 困りや悩みを抱えた子どもたちに自然や他者と関わり合う機会を提供する「チャレンジ自然体験」、地域などで活動プログラムを行う人材を養成する「自然体験活動リーダー養成」の二つの事業で構成するもの。

 「自然体験活動リーダー養成で必要な能力を身に付けた人が、チャレンジ自然体験のスタッフとなって活動するなど、両事業を連携して進めていきたい」との考えを示した。

 チャレンジ自然体験については、初年度は教育支援センターを利用している不登校の児童生徒を対象に実施する方針。活動終了後、児童生徒や保護者へのアンケート調査等で効果を検証し、その結果を踏まえて徐々に活動の範囲を広げていく考えだ。

 「併せて、他都市の先進事例も参考にしながら、札幌市としてふさわしい事業の在り方について継続して検討していきたい」と述べた。

 篠原すみれ委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆子の声大切に主体性伸長へ 教育大綱改定受け

 木村部長は、過日改定された「育む さっぽろっ子 教育の大綱」を受け「学校・家庭・地域が目指す子どもの姿を共有し、子どもの声を大切にする取組を進めながら主体性を伸長していく」と述べた。

 3月上旬の総合教育会議で改定された大綱では、教育の方針を「子どもたちが自他のよさや可能性を認め、“新たな価値を創造する力”を高め合うことを通して、世界の舞台で活躍する“さっぽろっ子”を育てます」を掲げ、三つの取組の柱を設定した。

 6年度から始まる第2期教育振興基本計画も踏まえ「今後、市長部局とより一層連携しながら、子ども一人ひとりの良さや可能性を生かし、子どもの踏み出す一歩を後押しすることで“新たな価値を創造する力”を高め、持続可能な社会の発展に向け、札幌の将来を担う人材を育んでいきたい」との考えを示した。

 竹内孝代委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆全校長対象に研修 不安や悩み抱える教職員への支援

 市教委の佐藤圭一教職員担当部長は、不安や悩みを抱える教職員を支援するため、全校長を対象とした研修を新たに実施する方針を示した。

 教職員相談室の相談件数をみると、令和4年度は延べ253件、5年度(2月末時点)は220件超と増加傾向にある。相談内容は、学習指導、生徒指導、学級経営や職場内の人間関係などに関する悩みが多く、健康やハラスメントに関する相談も一定数あるという。

 新たな研修では、管理職が教職員に対して日常的に職務や健康状況等を把握し支援や相談対応を行う「ラインケア」の充実を目指している。

 このほか、教職員相談室の利用を契機に問題解消するケースがあることを踏まえ、リーフレットの内容を見直し積極的に周知する考え。

 竹内委員の質問に対する答弁。

◆用具回収数増へ周知方法を工夫 スキーリサイクル

 市教委の長谷川正人学校教育部長は、さっぽろっ子スキーリサイクル事業について、スキー用具回収数の増加に向けて、周知方法などの工夫を図る考えを示した。

 事業は平成22年度から実施しており、現在は市内10区の小学校各2校、一部の民間企業に回収場所を設置し、一定期間を設けてスキー用具の回収を受け付けている。

 結果、配布数は事業開始当初(275人)の約5倍に増加しているものの、応募数は5年度で6000件を超えており、抽選で配布しているのが現状だ。

 回収数の一層の増加に向け、回収場所の増加のほか、6年度から全学校に導入する保護者連絡アプリを活用し市教委が直接周知を図るなどの工夫を講じる考えを示した。

 田中啓介委員(日本共産党)の質問に対する答弁。

◆近隣大学等と連携 青少年科学館4月オープン

 木村部長は、4月にリニューアルオープンする青少年科学館について、近隣大学等との連携を推進する考えを示した。

 展示案内ボランティアとして学生が活動予定となっているほか「開館後のイベントの企画・実施に学生が参加することについても協議している」と伝えた。

 「今後も積極的な連携を通じて、双方の特徴や専門性を生かした取組を行い、青少年科学館が地域における学びの機会の創出に一層寄与できるよう努めていく」と述べた。

 竹内委員の質問に対する答弁。

(札幌市 2024-03-22付)

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