北広島市6年度教育行政執行方針 中学校で電子採点導入 施設一体型義務校設置へ(市町村 2024-04-03付)
吉田孝志教育長
北広島市教委の吉田孝志教育長は、6年度教育行政執行方針を説明した。教育環境の整備に当たっては、教職員が本来担うべき業務に専念できる体制を確保するため、新たに中学校にデジタル採点システムを導入するとした。また、学校適正規模・適正配置については、西部地区において、西部小学校を活用した施設一体型義務教育学校の設置に向けた取組を進める。併せて、西部中学校の跡利用についても有効な活用策を検討する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【生きる力を育む学校教育の推進】
▼義務教育9年間の学びを支える教育活動の展開
児童生徒が「自立」「協働」「創造」の力を身に付け、持続可能な社会の創り手として成長するために、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育を推進し、各中学校区の取組をさらに充実させる。
▼豊かな心を育む教育の充実
改訂した市独自の福祉読本も活用し、考え、議論する道徳の授業等を展開する。
▼確かな学力を育てる教育の充実
今日、児童生徒に求められる資質・能力を育むため、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るとともに、主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善や個に応じたきめ細かな支援を行う。
▼健やかな体を育てる教育の充実
健康・安全で活力ある生活を営むために必要な資質・能力育成へ、各学校の体力向上プランを改善するとともに、北海道日本ハムファイターズとの連携協定に基づいた取組を進める。
▼学校給食
衛生管理を徹底し、栄養バランスの取れた安全で安心な給食を安定的に提供するとともに、災害時の炊き出し等を想定した防災給食の提供や、赤毛米など北広島産の食材や有機野菜などを活用した地産地消の推進に取り組む。
また、生涯にわたり健康的な食生活が実践できるよう、学校における食の指導の充実を図る。
▼防災食育センター
6年度の供用開始に向け、災害時における炊き出しなどの応急給食機能と、平常時における防災や食育学習機能、学校給食機能を兼ね備えた拠点施設として整備する。
▼特別支援教育の充実
特別支援教育支援員、特別支援学級介助員を全校に配置し、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習や学校生活の支援に努める。
また、家庭、学校、教育委員会、教育支援委員会などが連携し、一人ひとりの教育的ニーズに応じた、きめ細かな対応を行う。
▼社会の変化や課題に対応した教育の推進
社会的自立に向けて必要な資質・能力を育むため、市独自のキャリアパスポート「きたひろ夢ノート」を活用しながら、義務教育9年間をつなぐキャリア教育「大志学」を推進する。
▼姉妹都市子ども大使交流
姉妹都市東広島市との学校交流や平和記念式典への参列などを通して、学習成果を還流し、ふるさと意識を高め、地域社会の一員としての自覚を深める取組を推進する。
▼外国語教育の充実
国際社会で活躍する人材の育成に資するよう、外国語指導助手の活用や対話を重視した授業の充実を図るとともに、児童生徒の学習意欲の向上等を図るため、英語検定などの費用の一部を助成する。
【信頼され、魅力ある学校づくりの推進】
▼地域とともにある学校づくりの推進
全中学校区においてコミュニティ・スクールの取組を推進し、学校、家庭、地域が一体となった開かれた学校づくりを推進する。
▼教育環境の整備
教職員が本来担うべき業務に専念できる体制を確保するため、新たに中学校にデジタル採点システムを導入するほか、市立学校における働き方改革推進計画に基づき、学校における働き方改革を推進する。
学校部活動の地域移行については、休日部活動の段階的な移行に向け、学校および各種団体等との意見交換を行うとともに、モデル事例の実践検証を通して、中学生のスポーツや文化活動を行う機会の維持と創出に取り組む。
▼就学支援
小・中学校の就学に必要な学用品や体育実技用具、インターネット通信費などの経費の一部を援助する。
また、高校等への就学を支援するため奨学金等を支給する。
▼学校施設の設備
東部小学校および大曲小学校の暖房機更新など、施設・設備の改修を進めるとともに、今夏以降においても猛暑となることを想定し、全ての小・中学校への冷房設備の整備を進める。
▼学校適正規模・適正配置の検討
児童生徒がより良い教育環境や適正な集団規模の中で学ぶことができるよう、引き続き審議会での議論、保護者、地域との情報共有や意見交換等を進める。
西部地区においては、審議会からの答申を踏まえ、今後、西部小学校を活用した施設一体型義務教育の設置に向け、保護者や地域等から幅広い合意が得られるよう取組を推進する。
▼帰国・外国人児童生徒に対する教育支援
日本語指導ボランティアを派遣し、支援が必要な児童生徒に対する指導の充実を図る。
▼学校ICT環境の整備
学びの質の向上と校務の効率化のため、電子黒板として利用可能な大型提示装置を、小学校に今後2年間で導入するとともに、専門事業者を活用したICTの運用支援を行う。
【やさしく支え合う教育連携の推進】
▼幼児教育・家庭の教育力向上への支援の充実
幼児教育と小学校教育との円滑な接続を図るため、交流会等の機会を通じて、幼稚園・保育所・認定こども園・小学校・学童クラブ・子ども発達支援センター・家庭と協力した取組を進めるとともに、市PTA連合会と連携した家庭の教育力の向上に向けた支援に取り組む。
▼教育相談体制の充実
引き続き、子どもサポートセンター相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーおよび心の教室相談員を配置し、学校や関係機関と連携して、いじめや不登校の未然防止、早期発見・早期対応の取組および不登校児童生徒等の支援に取り組む。
▼いじめ問題の対応
いじめ防止対策推進法および市いじめ防止基本方針等に基づき、未然防止に取り組むとともに、組織的・機動的な対応に努め、関係機関との連携を図る。
▼不登校児童生徒の対応
各学校における教育相談体制の充実や小・中学校の一体的な取組によって未然防止に努め、教育支援センターみらい塾において、学校復帰だけではなく、将来に向けた社会的自立を支援するとともに、学校と連携した指導や支援など、きめ細かな対応を進める。
▼地域が支える健全育成活動の充実
家庭、学校、地域、関係機関との連携を強化するとともに、各地区の青少年の健全育成活動を支援する。
また、インターネットやメディアの適切な利用を促進するため、教育委員会と市PTA連合会が協働して作成した「北広島アンビシャス4ルール」を活用し、家庭内でのメディア利用に関するルール作りなど、家庭、学校、行政が連携した取組を進める。
▼青少年の安全対策
市通学路交通安全プログラムに基づき、学校、教育委員会、道路管理者および警察による合同点検を実施する。また、引き続き、専任指導員による巡回パトロールや厚別警察署と連携した防犯教室等を行うとともに、家庭、学校、地域と連携した取組を進める。
▼放課後子ども教室
放課後の空き教室を活用し、児童の安全・安心な居場所を提供するとともに、学習やスポーツ・文化活動等の機会の充実を図る。
【結び合い、学び合う社会教育の推進】
▼人を育む社会教育の充実
地域における生涯学習の推進を図るため、各地区生涯学習振興会等における市民の主体的な学習活動を支援する。
▼学び合う生涯学習機会の充実
まちづくり・地域づくりに参画する人材の育成に向け、社会教育委員と連携し、公民館を拠点として多様な学習機会を提供する。
また、共生社会の実現を目指し、障がい児・者の社会参加の機会となる学びや体験機会の充実に取り組む。
▼国際感覚の豊かな人材の育成
カナダ・サスカツーン市との交流に関する普及・啓発を行い、市民が異文化に触れる機会の提供や、サスカツーン市の高校生受け入れに向けて、北広島・サスカツーン交流実行委員会と連携して取り組む。
▼学びと活動・活躍の循環
社会教育関係団体等の情報発信に努めるとともに、団地地区における情報交換会など各団体や地域の交流を促進し、学びのネットワークづくりを推進する。
レクリエーションの森について、老朽化への対応とともに、北海道ボールパークFビレッジに隣接する優位性を生かした今後の在り方について、関係する機関や部局と共に検討する。
【スポーツ活動の推進】
▼健康で生きがいのあるスポーツ活動の推進
スポーツ推進委員や市スポーツ協会、生涯学習振興会等と連携し、各種スポーツ大会や地域におけるスポーツの機会を提供する。
また、誰もが楽しめるアダプテッド・スポーツの普及や「だれでもスポーツフェスティバル」などへの参加を通して、スポーツ交流の促進を図る。
▼競技スポーツへの支援
競技スポーツの振興と据野拡大のため、市スポーツ協会や市スポーツ少年団本部等との連携や支援を行うとともに、ダンチャレなどのスポーツアカデミー事業や各種スポーツを開催する。また、優秀な成績を収め、全道、全国および国際大会に出場する個人・団体に対して大会出場費等の助成を行う。
▼スポーツライフの充実と環境整備
学校開放事業など身近なスポーツ環境の充実を図るとともに、緑葉公園運動施設などスポーツ施設の整備・改修等について検討する。
また、プロスポーツとの連携による各種事業やFビレッジハーフマラソンなどの開催を通して、市民のスポーツへの関心を高め、スポーツが生活の一部になるよう取組を進める。
ボールパークと連携したさらなるスポーツの推進のため、スポーツ部門を市長部局に移管することを予定しており、今後、市長部局と緊密な連携を図り、より効果的・継続的に取り組む。
【芸術文化活動の振興】
▼だれもが参加できる地域文化の振興
芸術文化の創造を担う人材の育成を進めるため、主体的に活動に取り組む団体や、全道、全国および国際大会に出場する青少年に対し大会出場費等を支援する。
また、優れた芸術文化活動への顕彰を行い、その活動や成果を広く周知する。
▼創造と交流を生む芸術文化活動の展開
市民が芸術文化を身近に感じ、鑑賞や交流できる機会を創造するため、市民との協働による施設運営や各種事業を企画・実施する。
【郷土愛を育む教育活動の推進】
▼エコミュージアム構想の推進
市民大学OB会と連携・協働するなどして、エコミュージアムセンター知新の駅において、郷土の歴史や自然の魅力を伝える常設展や企画展等を実施するとともに、国指定史跡旧島松駅逓所、特別天然記念物野幌原始林および各地区のサテライトなど、地域の遺産を活用した事業やまちの魅力発信に取り組む。
▼文化財の保存と活用
旧島松駅逓所の主屋耐震補強・保存修理に着手する。
▼野幌原始林
保存活用計画の策定に向けて、市特別天然記念物野幌原始林保存活用計画検討委員会において調査・審議する。
【生涯にわたる読書活動の推進】
▼図書館サービスの充実
市民からのリクエストに応え、蔵書や資料の充実を図るとともに、図書館フィールドネット運営委員会との協働によって、読書まつりや古本ばくりっこ等の読書活動事業を進める。
▼地域まるごと読書活動支援の充実
保育施設等への絵本巡回事業や家庭への貸し出しとともに、大曲地区における「まちなか司書」の取組を継続する。
▼学校図書館との連携
児童生徒の読書活動の充実や授業支援のため、学校における司書教諭との連携を図るとともに、児童図書巡回事業やブックキャラバン、司書による環境整備、中学校における司書の巡回配置を引き続き実施する。
【開かれた教育行政の推進、確かな教育行政の運営】
▼開かれた教育行政の推進
多様な媒体を利用し、広報・広聴活動を行うとともに、各種審議会委員の公募や会議の公開等を通じて、市民と協働した教育行政を推進する。
▼確かな教育行政の運営
外部有識者の知見を活用し、教育委員会の事務に関する点検・評価を実施するとともに、その結果を踏まえ、業務の検証と改善に努める。
(市町村 2024-04-03付)
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