教科担任制実証、総合学習開発など 全国初 公私立小で連携 田中学園、上砂川町が協定(学校 2024-04-03付)
学校法人田中学園(田中賢介理事長)と上砂川町は3月21日、教育による地方創生を目指した連携協定を締結した。全国的にも珍しい公私立の垣根を越えた並列型連携「ジョイントスクールneoプロジェクト」として、小学校における教科担任制の実証実験や、総合的な学習の時間の共同開発に取り組む。
産炭地として栄えた上砂川町は、炭鉱の閉山後、人口減少が進み、少子高齢化が著しい。このため、教員人材の不足による都市部との教育格差が大きな課題となっていた。
一方、田中学園立命館慶祥小学校は、実技教科をオールイングリッシュで行う「英語イマージョン教育」、縦割りによる異学年交流を促し情操教育やリーダーシップの自然な定着を目指す「ツリーシステム」など、独自の取組を展開。同校の教育成果を道内自治体に提供し「教育による地域格差の是正」に貢献する挑戦を掲げている。
今回、公立・私立の垣根を越えた並列型の連携協定を締結し、教育による本道の地方創生に向けた取組を進める。
具体的な構想をみると、町が6年度から導入する、3年生以降の理科、外国語活動・外国語科、5年生以降の家庭科における教科担任制の在り方を協働で実証実験する。また、総合的な学習の時間におけるカリキュラムの共同開発に着手。立命館慶祥小と町立中央小学校の児童が交流し、起業家教育やふるさと納税事業を活用した商品開発、地元企業と連携した実践的な授業の構築を図る。
これらの実現に向けて、立命館慶祥小から中央小に教員2人を派遣。田中学園の強みである外国語教育を生かしながら、安定的・先進的な学校経営の実現を目指す。
締結式では、上砂川町の奥山光一町長と田中理事長が協定書を交わし、今後の連携を誓い合った。
奥山町長は、公立・私立の垣根を越えた取組が「教育の地域間格差の解消につながる」と強調。魅力ある学校づくりを通して、グローバル人材の育成や地方創生につながることを期待した。田中理事長は「子どもたちが学ぶ環境を整えることが使命。上砂川町と協力してつくり上げたい」と意気込んだ。
(学校 2024-04-03付)
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