様似町　６年度教育行政執行方針　スクールランチ無償化　オンライン公設塾３教科に

（市町村 2024-04-04付）

秋山教育長

　【苫小牧発】様似町教委の秋山寛幸教育長はこのほど、町議会定例会で６年度教育行政執行方針を説明した。民間学習塾と連携したオンライン公設塾について「国語と算数・数学の２教科で行っているが、本年度は英語を加えた３教科で実施する」との考えを示したほか、様似型スクールランチについて「料金の無償化に取り組む」とした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

　幼児センターから小・中学校までを通した一つの学校運営協議会を組織し、浦河高校の生徒を協議会委員に迎えながら、学校と保護者や地域の皆さんが知恵を出し合い、地域全体で協働しながら子どもたちの学びや成長を支える「コミュニティ・スクール」を推進し、子どもたちが主体的に夢や希望を実現できるよう支え合える体制づくりをさらに進めていく。

▼幼児教育・保育の推進

　「戸外遊び」をはじめ、全身を使った「運動遊び」や「リトミック」を通して体力・運動能力の向上を図ることや、英語に慣れ親しむ「英語遊び」、文字や数に興味・関心を持ってもらう「もじ・かずタイム」を継続して取り組んでいく。

　四季を通じて様似の自然に親しむ体験プログラム「ジオ学習」の展開や、地場産業に触れ、自ら体験する機会を設けるなど、そこに携わる地域の方々や家庭の協力をいただきながら、豊かな心と郷土愛を育む。

▼学校教育の推進

　学校管理規則において、様似小学校と様似中学校を施設分離型の小中一貫校として位置付けてから８年目を迎えるが、教職員の兼務発令のもと、合同研修会などを通じて、教職員の経営参画意識を高め、小中一貫校としての認識を持って取り組むことができる体制をさらに強化していく。

　また、小・中学校９年間の系統的・継続的な教育を行うための調査研究を実施するとともに、９年間を見通した学習のつまずきポイントの共通認識を積み重ね、学校種の垣根を越えた教職員による指導体制を図る「小中一貫相互授業」や小学校における教科担任制の充実などに引き続き力を注いでいく。

　５年度から新たな取組として、民間学習塾と連携し、オンラインを活用したオンデマンド学習と塾講師による個別サポートを主軸としたオンライン公設塾を進めてきた。

　小学校５年生から中学校３年生までを対象に、国語と算数・数学の２教科で行っているが、本年度は英語を加えた３教科で実施する。学校での学習内容と対応させることで、既習事項の定着と合わせて家庭での自発的な学習の習慣化を図り、学力の向上を目指す。

　学習のモチベーションを高める目的で取り組んでいる検定受検については、これまでの小中学生への「英語検定」受検料助成のほか、新たに「漢字検定」の受検料助成を行うことで、積極的に上位の資格取得を目指せるよう支援する。

　中学校の部活動については、国から示された部活動運営に関する指針により、教職員の働き方改革とそれぞれの地域にあった部活動の在り方が求められており、関係団体との情報共有を図りながら、その方向性について協議を進める。

　３年９月から開始した「様似型スクールランチ」については、これまでに代替食によるアレルギー対応が可能となっているが、より充実した形で、児童生徒に栄養の整った食事を安定的に提供するとともに、家庭での弁当調理に係る負担と経済的負担の軽減を図るため、児童生徒分のスクールランチ料金の無償化に取り組む。

▼社会教育の推進

　学校教育活動を地域で支える「学校支援ボランティア」や「放課後子ども教室」、「地域の人材を活用した教育支援活動」においては、幼児から成人・高齢者まであらゆる世代の町民が参加し、町民の様々な活動の積み重ねを有効活用することにより、さらに豊かな学びとなる「学びの好循環」につなげ、地域の多様な可能性を引き出すような事業展開を図る。

(市町村 2024-04-04付)