帯広市教委　全国体力等調査結果　体力合計点　中男女初の全国超　小男子　２年連続全国以上

（市町村 2024-04-03付）

　【帯広発】帯広市教委は５年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を公表した。中学校男女の体力合計点が、調査開始以来初めて全国平均を上回った。小学校男子は２年連続で全国平均を超過。運動習慣に関しては、１週間の総運動時間が二極化している現状が明らかになった。市教委は今後、結果分析を踏まえた実施時期の変更や、ＩＣＴ活用を伴う授業改善に向けた取組などを進める。

　調査は昨年、小学校２６校の５年生１１６７人、中学校１４校の２年生１０３０人を対象に実施した。

　実技に関する調査結果から体力合計点をみると、小学校男子が５２・６５点となり、２年連続で全国平均を上回った。小学校女子は全国平均よりわずか０・１２ポイント下回る５４・１６点となった。

　中学校は男子が４１・９４点、女子が４７・３９点となり、平成２０年度の調査開始以来初の全国平均超えを達成。全道平均にも約２ポイントの差をつけている。

　種目別では、小学校の男女共に「握力」「反復横跳び」「立ち幅跳び」の３種目で全国平均を超過。中学校は男子が６種目、女子が４種目で全国平均を上回った。

　児童生徒質問紙調査をみると、１週間の総運動時間に関しては小中共に「６０分未満」および「４２０分以上」の割合が全国よりも高く、市教委は「運動習慣の二極化が進んでいる」と分析。特に中学校においては「６０分未満」の回答率が増加傾向にある。

　朝食の欠食率は４年度と比べて、小中男子は改善傾向にあるものの、小中女子は増加。また、学習以外での端末使用時間などを指すスクリーンタイムは、小中共に増加傾向となった。

　体育・保健体育の授業に関しては「楽しい」と感じる児童生徒の割合が全国より高い状況。ＩＣＴの活用状況は、中学校が全国より高く、学習の効率化や運動に触れる時間の創出につながっている。

　学校質問紙調査をみると、調査結果を踏まえた授業改善の取組に関して、小学校は９６・０％、中学校は１００・０％と高い数値となった。市内では校区ごとに分かれた小・中学校で「エリア・ファミリー」を構成しており、市教委は「エリア・ファミリーでの取組の効果が出ているのでは」と分析している。

◆冬季の影響考慮　６～７月実施へ

　市教委は５年度から、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の実施時期を「５月以降」とするよう各校に通知した。着実に授業改善は図られているものの、結果に結び付かない状況を分析し、実施時期に着目したもの。道内は積雪寒冷期間が長く、児童生徒の運動機会が減少する傾向にあるため、新体力テストで本来の力を発揮できる環境整備を試みた。

　５年度の調査結果では、小学校男子および中学校男女の体力合計点が全国平均を超え、市教委は実施時期の変更に効果を実感。結果を踏まえ、月別に体力合計点を割り出したところ、５月よりも６月に実施した学校の数値が高いことが判明した。専門機関による先行研究等を参照し、冬季間の影響が見られる「上体起こし」「５０㍍走」の２種目を中心に、６年度は６～７月の実施とする見通しだ。

　授業改善に関しては、５年度に体力向上推進プロジェクトチームを立ち上げ、各エリア・ファミリーの体力向上推進部会に属する教員が参画している。各部会で年３回、プロジェクトチームで年２回ほど交流しており、積極的に情報共有が図られている。６年度以降は、体育科授業における効果的なＩＣＴ活用を議題に組み込む予定。市教委は「教員間でＩＣＴ活用に関わる実践を共有できたら、さらに授業改善が充実・発展すると思う」としている。

　このほか、運動習慣および生活習慣に関しては、家庭・地域と連携し、リーフレット配布やイベント等を通して啓発していく。

(市町村 2024-04-03付)