初心忘るべからず　札幌市教委　初任研１年次

（札幌市 2024-04-23付）

　札幌市教委の初任段階における研修１年次研修（初任者研修）が、１８日の共通研修第１日を皮切りに始まった。講話に立った菅野智広教職員担当部長は、約３２０人の教員に対し「初心忘るべからず。子どもたちや保護者の信頼に応えることが教師の責任」などと呼びかけた。

　初任段階における研修１年次研修のうち、ちえりあでの集合開催を基本とした共通研修は、来年１月上旬までに全６回開講する。

　この日は、新規採用養護教諭研修、新規採用栄養教諭研修と合同で開催し、合わせて約３２０人が初の研修に臨んだ。

　開講に当たり、菅野教職員担当部長が「新任教員に期待する」と題して講話。①子どもにとって楽しい時間となるような授業を行う実践的指導力②子どもの様子を見守り、管理職や養護教諭、同僚の教諭などと情報を共有する専門性③自分に必要な技術が何かを考え、自ら学ぶ姿勢を崩さない主体性―の３点を挙げ、子どもたちとの向き合い方を説いた。

　また過去の教員による不祥事に触れ、要因として「教員の立場を利用してＳＮＳで児童生徒と私的につながる」「密室での指導が行われる」「先生が“先生”とは別の顔を持っている」などのケースを述べ、教職員である自覚を持つように呼びかけた。

　市が求める教員像で示される“深い教育的愛情”のイメージとして視覚障がい者ランナーの伴走者を例に、子どもが安心して学べるよう支援していく重要性を説き「ランナーと伴走者をつなぐのは“きずな”と呼ばれる１本のロープ。ゴールするまで“きずな”を離さず寄り添い続けるような教師であってほしい」と話した。

　最後に「日頃の小さな感動や自分へのご褒美を忘れないでほしい。健康第一、自身の心と体を大事にして、休む時は休むこと」と激励した。

　このあと、札幌市の学校教育に関する講義、学校経営の基礎に関する講義・グループ交流などを行った。

(札幌市 2024-04-23付)