特別免許状 活用促進を 文科省が運用指針改訂案 アスリートなど専門人材登用(国 2024-04-26付)
文部科学省は特別免許状に関する運用指針の改訂案を24日の中教審教員養成部会で示し、了承された。授与のみならず採用・研修を含む総合的な指針として改めるもので、アスリート、博士号保有者、ICTのスペシャリストなど多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成に向けて特別免許状の活用促進を図る。
特別免許状の授与件数は年々増加しており、4年度は500件と過去最多となった。
一方、特別免許状の制度趣旨が十分に理解・浸透しておらず、都道府県によって消極的な運用となっている課題がある。
このため文科省は特別免許状授与に関する指針を改訂し、名称を「特別免許状の授与・および活用等に関する指針」と改める。
具体的な変更点をみると、特別免許状の授与基準や手続きを一般向けに公表していない自治体も多い現状を改善するため、特別免許状に関する個別のホームページの策定・公表を明記することで採用選考の積極的な実施を促す。
「授与候補者の専門性が評価内容の一部にしか該当しない」ことを理由に慎重になっている自治体も多いことから、専門分野を中核として当該教科の知識がある場合、特別免許状の授与が可能であることを明確化する。
例えば科学・化学の博士号保有者は理科、一つの競技で実績を収めたアスリートには体育の一定程度の知識・技能を有すると見なすことを明らかにする。
また、臨時免許状との違いや使い分けについて十分に理解されてない事例もあるため、任期付き・非常勤としての任用が可能であることを明確化する。
採用後の研修やキャリアアップに関しても追記。教師として求められる資質・能力の習得を図るため、入職後に教職大学院に派遣し、専修免許状を取得できることを盛り込む。
(国 2024-04-26付)
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