校務DXの進捗状況を可視化 国がダッシュボード公開 道内 教職員間の資料共有進む(国 2024-05-01付)
文部科学省は、デジタル庁と共同開発した「校務DXダッシュボード」を公開した。校務DXの推進状況を地域・都道府県・市町村別に一覧化して比較できるもの。2月時点の道内の状況をみると、クラウドサービスによって校内の資料共有を完全にデジタル化している割合は65%と全都道府県で最も高かった一方、欠席・遅刻・早退など保護者との連絡のデジタル化がやや低い傾向にあることが分かった。
公開したダッシュボードは全国の校務DXの推進を図るため開発したもので、デジタル庁ウェブページで公開。5年度から運用している文科省の調査集計システム「EduSurvey(エデュサーベイ)」に基づき各学校の自己点検結果を集計している。
校務DXの進捗状況は全国(6ブロック)、都道府県、市区町村別に「完全にデジタル化」「半分以上デジタル化」の2パターンで表示することができる。
表示項目は、教員と保護者間の連絡等のデジタル化(欠席・遅刻・早退連絡、お便り配信、調査・アンケート)、学校内の連絡のデジタル化(資料共有、情報共有、調査・アンケート)、教員と児童生徒間の連絡等のデジタル化(各種連絡の廃止、調査・アンケート)、その他(FAXの原則廃止、押印・署名の廃止)―の10項目。
公開時(2月時点)の道内の状況をみると、校内の資料共有を完全にデジタル化している割合は65%と全国平均の33%の2倍、半分以上がデジタル化している割合は87%となっており、校内連絡のデジタル化が全国と比べて進んでいる。
一方、保護者との欠席・遅刻・早退連絡を完全にデジタル化している割合は19%と全国平均を12ポイント下回り、お便り・配布物の一斉配信など保護者間のやりとりで低い傾向が見られた。
文科省は教育DXに関するKPIとして、クラウド環境を活用して校務DXを推進する学校の割合を、5・5%から8年度に100%まで引き上げる目標を設定した。紙・転記作業などの非効率的な手入力作業も一掃し、FAXでのやりとりや押印は7年度に原則廃止する考え。
クラウドの活用には、個人情報など過密なセキュリティ上の課題もあるため、7年度に全自治体においてクラウドに対応した教育情報セキュリティポリシーを策定するよう促し、校務のDXの徹底を図っていく。
◆ダッシュボード
ダッシュボードは、様々なデータを収集・分析・加工して、集計値・表・グラフなど視覚的に分かりやすく一覧化した画面のことで、一部の校務支援システムで既に実装されている。
文科省は次世代の校務DXの構想に当たり、従来の校務用データと各種デジタル教材等による学習系データを連携・統合したダッシュボードの実装を計画しており、散在しているデータの統合・可視化によって学校経営の判断や教育委員会による学校支援、教職員ケアの充実などに役立てることが期待される。
(国 2024-05-01付)
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