【解説】教員採用試験 5月に前倒し(解説 2024-05-01付)
文部科学省は4月26日、全国の都道府県・指定都市教委に対し、8年度(7年度実施)教員採用選考検査第1次検査を5月11日を目安に設定するよう要請した。民間企業の就職・採用活動の早期化を踏まえた対応で、検査日の前倒し要請は2年連続となる。
教員採用選考検査の採用倍率は平成12年度の13・3倍をピークに下降傾向にあり、5年度(4年度実施)は3・4倍と4年連続で過去最低値を記録。小学校は2・3倍でこちらも過去最低となっている。
民間企業の就職・採用活動の早期化によって国家公務員や地方公務員の採用試験の日程も早まっており、国家公務員の総合職の試験は3月中旬、都道府県等の地方公務員試験は概ね6月中旬に設定されている。
文科省は5年度、教員採用選考検査の標準日を6月16日に早めるよう要請していたが、新規学卒者の受検動向を踏まえさらなる前倒しが必要と判断。5月11日を一つの目安として検討するよう関係者に求めた。
道教委・札幌市教委は今後、道内・東北の教員養成大学など関係者との協議を進めるほか、道外(東京・大阪)の受検会場の状況も踏まえつつ、次年度の検査日の在り方を検討するとしている。例年であれば12月ごろに次年度の方向性を公表していたが、受検者の影響も考慮し、公表時期の早期化も視野に入れて検討を進める。
文科省は教員採用選考検査の複線化も進めておりり、道教委・札幌市教委は昨年12月、大学3年生も対象とする特別選考(教養検査)を初めて実施。不合格でも6月の検査を受検できるメリットがあり、当初の想定を上回る約1200人が受検した。出願者の9割が大学3年生を占めており、関係者は受検者の確保につながるよう期待している。
(解説 2024-05-01付)
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