【解説】熱中症防止へ点検呼びかけ
(解説 2024-05-10付)

 文部科学省は、熱中症事故の防止対策に関する動画を制作し、8日付で学校安全ポータルサイトで公開した。学校の熱中症事故防止に必要な取組や留意点が閲覧できるチェックリストを周知。ことしの夏は全国的に気温が高くなることも予想され、効果的に活用するよう求めている。

 気象庁によると、昨年夏の気温は昭和21年の統計開始以来、北・東・西日本いずれも歴代1位となった。国内の熱中症による救急搬送人員数は9万1467人、学校や登下校中における熱中症の件数は前年比112件増の3240件。

 北日本におけることし6~8月の平均気温が例年より高い確率を50%、同様となる確率を30%、低くなる確率を20%と予測。西・東日本ではさらに高くなる見通しを示しており、昨年を上回る猛暑となることも懸念される。

 文科省は3年度に作成した「熱中症対策ガイドライン作成の手引」の追補版を4月に公開。室内環境の向上、授業・各種行事における指導上の留意点などをまとめたチェックリストを追加しており、熱中症事故対策のポイントを整理・確認することができる。

 本年度から施行された気候変動適応法等の改正概要も掲載。暑さ指数(WBGT)35以上で発表される「熱中症特別警戒アラート」や、市町村による「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」の指定制度、最近の事故事例や教訓、学校等における事故対応の事例も盛り込んでいる。

 文科省は日本医師会に対し、学校設置者から医学的な見地に関する要請があった際、積極的に対応してもらうことを要請しており、各学校では気温が25~30度の時期から適切な熱中症対策を講じること、活動場所ではなく暑さ指数に基づき活動の実施を判断することを呼びかけている。

(解説 2024-05-10付)

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