【解説】教員確保の改革案を了承
(解説 2024-05-14付)

 中教審の質の高い教師の確保特別部会は13日に第13回会議を開き、審議のまとめ案を了承した。給料月額4%の教職調整額を10%以上に引き上げるなど、前回会議で示した素案内容どおり概ね決定。今後答申をまとめて文部科学大臣に答申し、予算・法制上の措置を講じるため、関係省庁との協議を行う。教職調整額の引き上げに伴う給特法の改正は7年度以降となる。

 改革案では「働き方改革の加速化」「学校の指導・運営体制の充実」「教師の処遇改善」を一体的に進める具体的な施策を示し、全ての教師の時間外在校等時間を月45時間以内、将来的には20時間程度まで縮減する目標を掲げている。

 時間外勤務手当を支給する案に関しては、教師の職務の特殊性や長時間勤務を助長する懸念などから否定的意見が相次ぎ、今回の審議では見送りに。給料月額の4%を支給していた教職調整額を「少なくとも10%以上」まで引き上げる方向性で固まった。

 若手教師の支援策として、教諭・主幹教諭の間に新たな職を創設し、5級制から6級制に変更。若手教師を学級担任ではなく教科担任とするなど、教科担任制の充実へ定数改善を図る。学級担任の職務の重要性から義務教育等教員特別手当の額を加算し、管理職手当に関しても改善する。

 継続した休憩時間を確保する「勤務間インターバル」の導入や通級指導の充実に関する記載を追記。教員の時間外在校等時間を適切に把握する校長等管理職のマネジメントの重要性に関し記載の充実を図った。

 委員からは、教員が子どもたちと向き合うことのできる十分な“余白”時間を生む施策の充実が求められたほか、在校等時間の把握を担う管理職への支援策、伴走者として働き方改革を率先する教育委員会の役割の重要性が指摘された。

(解説 2024-05-14付)

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