【解説】推進員確保へ財政措置を

（解説 2024-05-17付）

　地域学校協働活動の企画・調整等を担う地域学校協働活動推進員（地域コーディネーター等）の配置に当たり、都道府県の７割が「予算不足」、５割が「人材確保」を課題と捉えていることが、全国都道府県教育長協議会の調査研究で分かった。学校・地域との連携を進める上で推進員の重要性は一層高まっており、同会は今後、国に謝金単価の引き上げや常駐化の補助要件の緩和などを求める。

　調査対象は４７都道府県。調査基準日は５年７月１日～８月１４日。　

　地域学校協働活動推進員の全国の配置数は１万１３６１人。属性は「ＰＴＡ役員」「教員」「行政職員」の順に多く、多様な背景の人材が関わっている。

　常駐状況を把握している都道府県は全体の２割にとどまる。推進員を対象とした研修会等を実施しているのは８割と多いが、未実施の都道府県があるほか、実施回数にも差が見られた。

　推進員の９５・７％が「地域や学校のためになっている」と回答。子どもたちとの関わりや地域・学校の要望に応える中、高い自己有用感を感じている。

　推進員の配置促進・機能強化の課題は「予算がない・少ない」が３３県、「地域での理解が進まず適切な人材が見つからない」が２４県と多い。推進員の要望は「予算の確保」「報酬の増額」「人材の育成・確保」と続いた。

　同会は、複雑化する地域課題に対応するため、小・中学校、県立学校で推進員の一層の配置が必要と指摘。国に対し、謝金単価や補助率の引き上げといった財政措置を要望する。

　推進員の高齢化と後継者育成、常駐場所の確保も課題であり、スキルアップに必要な情報提供や研修・交流機会の充実、パソコンなど事務作業に必要な機器整備、常駐化を望む場合の補助要件の緩和も求める。

(解説 2024-05-17付)