【解説】対話的学び 自己有用感と相関
(解説 2024-05-23付)

 児童生徒の自己有用感と、主体的・対話的で深い学びや「総合的な学習の時間」「学級活動」「特別の教科 道徳」の取組状況に正の相関があることが、文部科学省の調査研究で分かった。特に対話的な学びを楽しいと感じる児童生徒ほど「人が困っている時、進んで助けている」と回答した割合が高く、学力の水準にかかわらず有効な可能性があると指摘する。

 4、5年度の全国学力等調査のデータをもとに民間企業・大学に委託して専門的な分析を行った「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」で示したもの。16日の全国的な学力調査に関する専門家会議で報告した。

 過去4回(平成24、27、30年度、令和4年度)の理科調査の結果を分析した結果、小6・中3の理科の学力に実質的な向上・低下は見られなかったことが判明。男女との比較では女子の方が理科の平均正答率が高かった一方、「将来、理科や科学技術に関係する職業に就きたい」と回答した割合は男子の方が高かった。

 思考・判断・表現を行う理科問題の正答率や理解度が高い学校をアンケートで調査した結果、授業のプロセスの最初の段階となる「課題の把握(発見)」を重視する学校の割合が高い。また、理科に限らず全教科で自ら問いをつくることを重視する学校、授業づくりや教材研究に関して教員間で気軽に相談し合っている学校が多い特徴も見られた。

 5年度英語調査の分析では、日常的に英語を使用する機会やICT機器の活用、英語への興味・関心、理解度が英語力向上に影響していると分析。やりとりを中心とした授業展開が多く、言語活動を中心に語彙・文法事項などの正確さに焦点を置く学校ほど英語力が高かった。

(解説 2024-05-23付)

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