【解説】教育費負担減 骨太の方針に
(解説 2024-05-30付)

 盛山正仁文部科学大臣は28日の記者会見で、自民党調査会による質の高い高等教育の実現に向けた提言を受け、教育費の負担軽減に向けた施策を骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)に反映させる考えを示した。骨太の方針は政府・与党の調整を経て、6月後半にも決定する見通し。

 18歳人口は50年前と比べ半減した一方、高等教育機関への進学者数は倍増。大学入学者数は約64万人から2040年には約51万人に、2050年までの10年間は50万人前後で推移すると推計されている。

 自民党教育・人材力強化調査会による提言は今月16日に盛山大臣に手交。国際競争力を強化するため、国立大学において適正な授業料を設定するほか、奨学金の拡充による教育費の負担軽減を併せて検討するよう提案。

 少子化の影響による学校経営への影響を理由に、東京大学で授業料の引き上げを検討していることも背景にあり、今後、他国立大学に波及することを懸念する恐れがある。

 会見で盛山大臣は、中教審の特別部会において少子化が進行する将来を見据えた高等教育全体の規模・在り方について審議が進められていることに触れ「同じ問題意識に基づく提言と理解している。教育の質の向上と教育費の負担軽減に向け、骨太の方針などに必要な内容が盛り込まれるよう、しっかり取り組んでいきたい」と表明した。

 大学の授業料に関しては、特別部会の議論も踏ま丁寧に検討することが必要との考えを表明。国立大学の授業料は国が示す標準額のうち、120%を上限として大学法人が個別に設定できる枠組みとなっていることから「個別の大学が示しているものに対しては、各法人で判断されるべきもの」との見解を示した。

(解説 2024-05-30付)

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