【解説】大卒就職率 過去最高の98・1%
(解説 2024-05-28付)

 文部科学省と厚生労働省は6年3月大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)をまとめた。大学生の就職率は前年度比0・8ポイント上昇し98・1%となり、調査を開始した平成8年度以来最高値を記録。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、業界の人手不足が深刻化していることが背景にある。

 調査校は大学62校、短大20校、高専10校、専修学校20校の計112校。 

 国公立大は1・1ポイント上昇し98・5%、私立大は0・7ポイント上昇し97・9%。文系は0・8ポイント上昇し97・9%、理系は0・7ポイント上昇し98・8%で過去最高となっている。

 高等専門学校の就職率は0・8ポイント上昇し100%、専修学校(専門課程)は1・8ポイント上昇し97・5%といずれも過去最高に。一方、短大は0・7ポイント低下して97・4%となった。

 地域別では関東を除く全地区で就職率が上昇。北海道・東北地区は0・6ポイント上昇し95・4%だった。

 全国1万1222社を対象とした㈱帝国データバンクの「人手不足に関する企業の動向調査(4月)」によると、正社員が不足していると回答した企業は前年同月から0・4ポイント下降して51・0%とやや改善。働き手の拡大によって人手不足の割合が低下に転じる可能性を示唆している。

 一方、人手不足が顕在化している業種も多く、IT人材の不足が深刻な「情報サービス」、インバウンド需要の高まりを受ける「旅館・ホテル」では7割、2024年問題に直面している「建設」「運輸・倉庫」などで6割が人手不足と回答した。

 堅調な引き合いの中にあっても、人手不足を理由として受注しきれない声が相次ぐなど、機能不全が顕在化している企業もある。

(解説 2024-05-28付)

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