【解説】全国知事会 処遇改善へ提言
(解説 2024-05-24付)

 全国知事会(大村秀章文教・スポーツ常任委員会委員長、愛知県知事)、全国市長会、全国町村会は21日、文部科学省を訪問し、あべ俊子文部科学副大臣に「教師の処遇の抜本的な改善等による学校教育を担う人材確保のための緊急提言」を手渡した。質の高い教師人材の確保を喫緊の課題とし、法改正による抜本的な処遇改善や職責・負担に応じためりはりのある給与体系などを求めた。

 3団体は、本来の教科教育の対応やいじめ・不登校対応などによって在校等時間が増加し、現行の給与に係る優遇措置が想定と乖離していると指摘し、教員人材の確保と教育の質の向上に向けた対策を求めた。

 要望事項は3事項。教員を取り巻く環境の変化を踏まえ可能な限り早期に法改正を含む抜本的な改善策のほか、不登校、いじめ、特別支援教育など職責や業務の内容・負荷に応じためりはりのある処遇改善を講じるよう要望した。

 また、小学校教科担任制の拡充や不登校児童生徒支援を含めた生徒指導担当教師の配置拡充をはじめとする教職員定数の改善と支援スタッフの配置の充実を図り、各施策を実現するための財政措置を求めた。

 中教審の特別部会が13日にまとめた審議のまとめでは、全ての教師の時間外在校等時間を月45時間以内、将来的に20時間程度まで縮減する目標を設定。教職調整額の引き上げ、若手教師の支援を担う新たな職級の創設、小学校3・4学年の教科担任制の推進、学級担任や管理職の手当増などの施策を示した。

 文科省は、教職調整額を現行の4%から10%以上に引き上げるための所要額として720億円を試算しており、財務省との協議を進めていく。教職調整額の引き上げに伴う給特法改正案に関しては6年度中の国会提出を目指している。

(解説 2024-05-24付)

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