【解説】道教育振興会が発展的解散
(解説 2024-05-21付)

 北海道教育の正常化と活性化に寄与することを基本理念に、昭和49年に発足した北海道教育振興会が6年度末で解散する。16日に開いた6年度定期総会で決定した。創立50年の節目での幕引きに、関係者からは、名残を惜しむ声も聞こえる。

 設立時からの会報「教育振興」によると「戦後30年の本道教育界の推移と現状を考える時、教育の振興のためには、教育専門家はもとより、広く一般有識者も含めた全道的組織がぜひ必要」との共通認識のもと政界や経済界からも賛同を得たという。

 一方で、決して順調な船出ではなかった。初代会長の二木本実氏は会報の中で「ずいぶん苦労もしたが、それだけに喜びも大きい」と記している。

「個々の会員の思想や信条は様々であろうとも、あるいは様々であるが故にこそ、これを結集することで、たくましい実践力が生まれることを信じて疑わない」とも。

 平成11年度には全17支部、会員数3000人超を数え「教育に関わる多様な団体で構成している本会の強みを生かした活動が全道規模で行われ、情報の発信地、中継地としての役割を果たしてきた」と、今総会のあいさつで現会長の濱田美樹氏は振り返る。

 しかし近年は、様々な事情で休会や解散をする支部が出始め、6年度は5支部、会員数約1400人にまで減少した。

 「設立当初の目的が概ね達成された」と発展的解散を決めた同会だが、少子化の進展、いじめや不登校問題、コロナ禍以降、急速に進んだICT化や教職員の働き方改革等々、教育を取り巻く課題は今も山積している。

濱田会長は「新しい時代に即した本道の教育振興を担う活動」をつぎの世代に期待している。

(解説 2024-05-21付)

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