【解説】道内暑さ対策の取組状況
(解説 2024-05-15付)

 夏季休業期間を25日以上に設定した道立学校は95・9%、市町村立学校は98・1%となったことが道教委の調査で分かった。7月までに普通教室で冷房または簡易型空調機器を整備予定の道立学校は100%、市町村立学校は80%程度となっている。

 昨年5月下旬、十勝管内で熱中症とみられる症状で児童生徒20人が緊急搬送される事案が発生。夏には道内全域で熱中症警戒アラートが発表される初の事態となり、児童が命を落とす痛ましい事故も発生。学校における暑さ対策が加速化する1年となった。

 道教委は昨年11月に熱中症の対応マニュアルを改訂。暑さ指数計による定期的な計測によって運動の実施可否を判断することを明確化し、暑さ指数31以上で体育活動や部活動を「原則中止」とする取り扱いを徹底する方針。熱中症アラート発表時、各学校は地域の状況や学校の環境を踏まえ臨時休業の実施を検討し、一斉メールなどを用いて児童生徒や保護者に周知するよう呼びかけている。

 道立学校における夏季・冬季を合わせた長期休業期間の総日数は50日間から56日間に延長となり、夏季休業を25日以上に設定した道立学校は56・2ポイント上昇して95・9%に。平均日数は5・1日増加して29・6日だった。

 冷房設備は6年度末までに道立学校で654室、市町村立学校で6385室、簡易型空調機器は道立学校で6385室、市町村立学校で1万742室で整備する計画。

 共働き世帯が増加している中、夏休みの延長で保護者が子どもと過ごす時間や子どもの居場所の確保が課題となることが予想される。道と道教委は昨年冬、経済団体に保護者が休暇を取りやすい環境の整備を要請しており、夏休み前に再度、要請活動を行う予定。

(解説 2024-05-15付)

その他の記事( 解説)

【解説】通信環境改善へ財政措置を

 文部科学省は20日、第4回次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループを開き、7年度から始まる次期方針の策定に向けて議論した。学習活動のデジタル化が進む中、学校におけるネットワーク環境...

(2024-05-22)  全て読む

【解説】道教育振興会が発展的解散

 北海道教育の正常化と活性化に寄与することを基本理念に、昭和49年に発足した北海道教育振興会が6年度末で解散する。16日に開いた6年度定期総会で決定した。創立50年の節目での幕引きに、関係者...

(2024-05-21)  全て読む

【解説】免外教科の許可指針を改訂

 広域分散型の本道では、教員数が9人以下となる通常学級の学校が全体の約半数を占め、免許外教科担任が生じる大きな要因となっている。免許外教科担任制度に関して道教委は、質の高い教育を提供していく...

(2024-05-20)  全て読む

【解説】推進員確保へ財政措置を

 地域学校協働活動の企画・調整等を担う地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター等)の配置に当たり、都道府県の7割が「予算不足」、5割が「人材確保」を課題と捉えていることが、全国都道府県教...

(2024-05-17)  全て読む

【解説】ローマ字表記方法検証へ

 盛山正仁文部科学大臣は14日、文化庁の文化審議会に対し「これからの時代におけるローマ字使用の在り方について」を諮問した。日本語に基づき表記する「訓令式」と英語に基づき表記する「ヘボン式」が...

(2024-05-16)  全て読む

【解説】教員確保の改革案を了承

 中教審の質の高い教師の確保特別部会は13日に第13回会議を開き、審議のまとめ案を了承した。給料月額4%の教職調整額を10%以上に引き上げるなど、前回会議で示した素案内容どおり概ね決定。今後...

(2024-05-14)  全て読む

【解説】言語活動の充実が奏功

 文部科学省は今回の調査結果に関し、英語力の向上には「生徒の英語による言語活動」「教師の英語使用・英語力」「ALTとの授業外活動」、特に高校では「教師が英検1級相当以上を取得していること」が...

(2024-05-13)  全て読む

【解説】熱中症防止へ点検呼びかけ

 文部科学省は、熱中症事故の防止対策に関する動画を制作し、8日付で学校安全ポータルサイトで公開した。学校の熱中症事故防止に必要な取組や留意点が閲覧できるチェックリストを周知。ことしの夏は全国...

(2024-05-10)  全て読む

【解説】遠隔授業 生徒の8割が評価

 文部科学省はCOREハイスクール・ネットワーク構想における小規模高等学校ネットワークモデルに関する調査研究を取りまとめた。北海道を含む全国13地域で実施した遠隔授業を調査した結果、生徒の8...

(2024-05-09)  全て読む

【解説】自転車ヘルメット 普及進まず

 道内児童生徒の自転車用ヘルメットの着用率は全国平均を大きく下回り、特に中学生は1・2%と40ポイント以上低いことが道警の「令和5年における交通事故の発生状況」で分かった。過去10年間で頭部...

(2024-05-08)  全て読む