【解説】言語活動の充実が奏功
(解説 2024-05-13付)

 文部科学省は今回の調査結果に関し、英語力の向上には「生徒の英語による言語活動」「教師の英語使用・英語力」「ALTとの授業外活動」、特に高校では「教師が英検1級相当以上を取得していること」が影響を与えていると分析する。今後は有識者によるデータ分析を行って課題のある自治体に助言するほか、全国学力等調査とのクロス分析によって英語力向上に影響を与える取組を詳細に分析・公表する。

 英語力は自治体間の格差も大きく、英検3級相当以上の英語力を有する中学生はさいたま市が88・4%、福井県が83・8%と高い。両自治体はALTの配置充実、授業時間の増加、英検など外部検定の受験料の補助などを行い、英検準1級以上を取得する英語担当教師の割合も高いなどの特徴がある。英検準2級相当以上の英語力を有する高校生は富山県が61・4%、英検2級相当以上は東京都が29・6%と最も高かった。

 道内で英検3級相当以上の英語力を有する中学3年生の割合は、増減を繰り返しているものの、平成28年度の26・9%から着実に向上している。道教委は、児童生徒の英語による言語活動の充実やICTの効果的な活用などに力を尽くしてきた道内教員による授業改善の成果と指摘する。

 道教委は5年度から英語教育推進事業を開始。児童生徒の4技能5領域のバランスの取れた英語力を育む指導方法の実践研究に取り組んでおり、6年度は各管内で小中1校だった実践指定校の拡大を予定。

 全ての学校を対象とする「E―Lineセミナー」も引き続き開催し、文科省調査官による講義、異校種・他管内の実践交流を進めていく。また、中高教員の連携によって作成したパフォーマンステストの参考事例集を活用し、授業改善を進めていくとしている。

(解説 2024-05-13付)

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