【解説】遠隔授業 生徒の8割が評価(解説 2024-05-09付)
文部科学省はCOREハイスクール・ネットワーク構想における小規模高等学校ネットワークモデルに関する調査研究を取りまとめた。北海道を含む全国13地域で実施した遠隔授業を調査した結果、生徒の8割、指導教員の7割が遠隔授業を肯定的に評価。専門性の高い指導やICTを有効に活用することで、通常の授業と同様に生徒の理解度や学習成果の質を高めていることが分かった。
同事業は3~5年度に全国の実証地域で実施。小規模校の存続・活性化を図るため、小規模高校ネットワークモデルの提案と成果の普及を目的としている。
アンケートは5年10月2日~11月10日、授業の担当教員170人、生徒2458人を対象に実施した。
受講生徒の80・9%が授業に満足と回答。授業者の74・7%が生徒の理解度や学習成果の質に満足を感じている一方、通信状況の不安定さが理解度や学習成果の質を落とす可能性を指摘する声もあった。
生徒の見取りができていると回答した教員は67・1%。受信教室の生徒の状況の把握が困難であった場合も、連携を深めることで慣れるケースも多い。大型ディスプレーで確認できる生徒数は5人程度、クラウド等で把握できるのは20人程度、それ以上は受信側教員と連携して見取りを行う必要があるとした。
遠隔授業の教科別実施数は「数学」「外国語」「情報」「地理歴史」「芸術」の順に多い。多くの教科・科目で遠隔授業は実施が可能だが、体育・家庭、事前に入念な準備・打ち合わせが必要な理科実験は不適な点も指摘した。
教材研究・授業準備に要する時間は通常の授業と比べ1・3倍に増加するデータもあり、連絡調整担当の事務職員の配置など配信拠点における負担軽減策の必要があると指摘している。
(解説 2024-05-09付)
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