【解説】ローマ字表記方法検証へ
(解説 2024-05-16付)

 盛山正仁文部科学大臣は14日、文化庁の文化審議会に対し「これからの時代におけるローマ字使用の在り方について」を諮問した。日本語に基づき表記する「訓令式」と英語に基づき表記する「ヘボン式」が混在している状況を踏まえ統一的な考えを示すよう要請。現在の社会実態に反映しているかを検証し、考えを整理する。

 ローマ字の表記は例えば神戸を「koube」と表記する訓令式、「kobe」と表記するヘボン式があり、昭和29年から内閣訓示によって「訓令式」を基本に採用。当初はローマ字を用いて国語の文章をつづることを想定していたが、現在は「地名、駅名、店名の表示」「海外向けに人名・社名を伝える」など固有名詞を中心とした活用が広がっており、日本語を母語としない人たちへの配慮や、国際社会への情報伝達が主な目的となっている。

 また、日本語に基づき表記する「訓令式」は十分に定着しておらず、パスポート、道路標識、各種案内表示などでは法令等に基づいてヘボン式が採用されている状況にある。端末におけるローマ字入力など当初想定していなかった習慣も定着し、学校教育での扱いにも影響を及ぼしている。

 盛山大臣は審議会に①将来に向けたローマ字つづりの安定②国語を表記する十分な機能③各分野で定着してきたローマ字表記の慣用の整理―の3点を要請。審議会は今後、訓令式・ヘボン式の統一的な考えを検討するほか、音の長短で判別する日本語で区別できないつづりもあることから、機能を十分に果たす表記の在り方を検討する。

 また、「judo」「matcha」のように国際社会で広く使用されている言葉もあることから各分野における慣用を整理。国語の表記の関係における位置付けを検討する。

(解説 2024-05-16付)

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