【解説】免外教科の許可指針を改訂
(解説 2024-05-20付)

 広域分散型の本道では、教員数が9人以下となる通常学級の学校が全体の約半数を占め、免許外教科担任が生じる大きな要因となっている。免許外教科担任制度に関して道教委は、質の高い教育を提供していく上でも抑制的に用いるべきとし、教員の負担軽減の面からも解消に努めていく考えを示している。

 特に、プログラミング教育や情報教育の重要性が増す中で技術分野の免許外教科担任の早急な改善が必要とし、10年度までに免許外担任教諭をゼロとする目標を掲げている。

 小規模校で免許状を所有する教師を確保できない場合、遠隔で専門性の高い教師による指導を可能とする「遠隔教育特例校制度」があり、受信校において相当免許状が不要となる。指定を受ける負担や年度途中で活用できないなどの課題もあり、6年度から文部科学大臣への申請が不要となった。

 これを受けて文科省は、5月8日付で免許外教科担任の許可等に関する指針を改訂し、免許外教科担任の解消を図る遠隔授業の積極的な活用を明記。技術分野におけるプログラミングを例に、教科の一部を専門の教員が遠隔で指導するなど負担軽減を図る方策を追記している。

 道内では幌延町教委が免許外教科担任を支援する遠隔授業に先行的に取り組んでおり、学習活動の充実につなげている。5年度は幌延中学校から問寒別中学校に英語、理科、道徳の3教科を配信。画面共有の工夫によって対面と同じ授業を展開し、受信校・配信校間の意見交流による学習意欲の向上にもつなげている。

 自治体間で連携して遠隔授業を実施する動きも。神恵内村教委と泊村教委は5年2月に連携協定を締結し、国語や道徳などで遠隔授業や教育課程の整合などの合同連携を進めている。

(解説 2024-05-20付)

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