札幌市教委 CS導入予定校説明会 地域を知ることが大切 文科省マイスター・森氏講演
(札幌市 2024-07-04付)

CS導入予定校説明会

 札幌市教委は6月24日、市内のちえりあで7年度コミュニティ・スクール(CS)導入予定校向け説明会を開催した。7年度にCSの導入を検討している120校の管理職や担当教諭らが参加。文部科学省のCSマイスターを務める森万喜子氏(元小樽市立朝里中校長)が講演し、CS導入前に「校長が地域に出て、地域のことを知ることが大事」などと助言した。

 市教委は本年度「小中一貫した教育」「自治的な活動」の2点を柱とした札幌らしいCSを導入。

 初年度は7パートナー校区15校に学校運営協議会を設置し、地域と共にある学校づくりに向けた取組を推進している。

 CSの導入に当たっては、規則等を理解した上で運用していくことが重要との考えから、導入を検討している学校への説明会を初めて開催。8月上旬ごろに調査を実施し、各学校の意向を確認する予定となっている。

 市教委の行政説明のあと、本年度導入校から星置中学校の豊村和史校長が実践発表した。

 星置中校区(星置中、手稲北小学校、星置東小学校)では導入に当たり、地域学校協働活動推進本部を3校合同の「みずばしょうクラブ」に統合するなどの環境整備を行った。

 学校運営協議会と地域学校協働活動のコーディネート機能などを担う推進員は「最も重要なキーパーソン」と強調した。学校現場で勤務していた経験から、学校に対する理解が深いという。「実施計画の作成、運営補助、講師の依頼などを引き受けてくれ、教職員の負担軽減につながっている」と役割の大きさを伝えた。

 5月中旬に開かれた第1回学校運営協議会では、委員から「食指導講演会には、小学校の保護者や地域にも案内したい」「登校指導の日程を合わせれば、校区全体で見守りができるのでは」などの意見が上がり、前向きな熟議ができたと振り返った。

 一方「休日の地域行事を復活させたいので、学校に協力してほしい」といった要望もあったという。教職員の負担軽減の観点から、全て協力できる保障がないため「学校の働き方改革への理解を呼びかけていくことも大事」と課題を示した。

 また、森氏が講演。CSの導入に当たっては「校長が地域に出て、地域のことを知ることが大事」と強調した。地域にどのような組織・団体があるのか、社会教育施設はあるのか、地域の課題は何かなど、校長が自ら出向き、人と交流する中で探っていくことを提言した。

 学校運営協議会委員の人選については、男女や年代のバランスを意識することを勧めた。森氏が校長を務めた朝里中では、地域の大学生のほか、財務の視点から学校運営を見ることができるよう事務職員を選定したという。

 「働き方改革に逆行するのでは」との考え方に対しては「“べき”にとらわれないことが大事」と伝えた。

 学校運営協議会は勤務時間外に開かれることが多いが「午後3時ごろから開催すれば勤務時間内に終わる。この時間帯に参加できる人を委員に選定すれば良い」と助言。多忙な教頭を委員から外すことも対策として考えられると伝えた。

 このあと「札幌らしいCSの導入に向けて何ができるか」をテーマに、参加者同士で熟議を行った。

(札幌市 2024-07-04付)

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