生徒指導のアンガーマネジメント　相手の“べき”耳傾けて　札幌市学校教護協が研修会

（札幌市 2024-07-05付）

　札幌市学校教護協会（大道弘孝理事長）は６月２７日、ホテルライフォート札幌で６年度第１回理事幹事研修会を開催した。日本アンガーマネジメント協会代表理事などを務める戸田久実氏が講演。価値観や譲れないものといった“べき”は人によって基準が違うことを説明し「相手の“べき”にも耳を傾けることが大事」と呼びかけた。

　戸田氏は「生徒指導におけるアンガーマネジメント」と題して講演した。

　アンガーマネジメントの前提として「“怒らないこと”ではなく“怒りで後悔しないこと”を目指すもの」と説明。「怒ることはいけないこと、悪いことではない」と前置きした上で「無理して抑えたり、カッとなって感情的になったり、怒りに振り回されることなく、上手に付き合えるようになることを目指そう」と呼びかけた。

　怒りの感情は、自分の価値観や譲れないものといった「～である“べき”」が破られた時に生じやすいと分析した。

　一方、育ってきた時代や環境、歩んできたキャリアなどは人によって異なるため「“べき”の内容や程度も人それぞれ違う」と強調。「当たり前」「普通～だろう」「常識だよね」など、自分が思う“べき”に基づく言葉が多く存在するが「それが相手にとっても同じとは限らない」と伝えた。

　怒りをコントロールするためにも「自分の“べき”が共通認識になるような対話ができているか」「相手の“べき”の背景にも耳を傾ける」などを意識するよう呼びかけた。

(札幌市 2024-07-05付)