札幌市小学校長会5年度研究成果 研究集録から 第5回
(札幌市 2024-07-29付)

「豊かな心」育成部・下

【2年間の取組(5年度)】

 2年次は前年の成果と課題を踏まえ視点の見直しを図り、前年度同様に六つのグループを設けて実践交流を進めてきた。

▼視点1「教職員の意識付け・意識改革」や「協働(情報共有・チーム対応)」の在り方

▽学校経営の視点として

・子どもに付けさせたい力や育みたい心を学校経営案に

・教職員と共有し、具現化

・相互承認の感度を高める

▽成果

 学校課題を把握し学校経営方針に打ち出すことで教育活動や組織の動きが変わる。

▽課題

 子どもの幸せにつながる教職員の幸せを校長が自ら働きかける。

▼視点2「道徳教育」の充実や「学ぶ力・健やかな体の育成」との連動の推進

▽教育課程の視点として

・心のバランスを取り、豊かな創造力を育む道徳教育で培った力を学ぶ力や健やかな体を育成する場面と関連付けて

▽成果

 道徳教育を教育活動と連動させ、教育活動に位置付け、学びと結び付けて繰り返し経験する。

▽課題

 道徳の授業だけではなく、教育活動の様々な場面での道徳教育の在り方。

▼視点3「心の居場所」「自尊感情」の育みや「小中一貫した教育」の推進

▽9年間の子どもの育ちの視点として

・安心感

・ありのままの自分を許容される

・自分自身を大切に思う

・9年間で子ども一人ひとりの成長を見守り、支える職員の連携・協働

▽成果

 人間尊重の教育、自己肯定感や相互承認を大切にして多様性を認め合う教育活動を推進する。

▽課題

 教育活動を通し子どもの個性を捉えることが必要。心の豊かさは評価が難しい。

▼視点4「子ども理解」の深まりや「いじめ」「生徒指導上の諸問題」の未然防止の取組

▽生徒指導の視点として

・教職員が子どもへの理解の感度を高める

・「チーム学校」として一丸となって対応する

▽成果

 教職員の意識改革をもたらす校長の役割と指導性が重要である。

 校内組織の弾力的な運用や外部機関と連携した取組が有効である。

【研究のまとめ】

▼4年度

 校長として、子どもや保護者の思いに寄り添い、教職員の自発性や良さを引き出し、温かな学校経営を目指すことで、子どもたちにより豊かな心を育むことができる。

▼5年度

 「豊かな心」は、継続されている取組の中でゆっくりと時間をかけて育まれ、そこには共有した校長の役割と指導性がある。

▼校長として

▽自分の学校の良さ・強みを見つける

▽目指す子どもの姿や育みたい心を発信し、共有する

▽教職員集団・地域、保護者の協働を生み出す

▽経験を生かし、課題解決に向けて役割と指導性を発揮する

 多様性を認め合い、自他の命を大切にする子どもたちを育む学校経営に生かす。

(札幌市 2024-07-29付)

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