北理研札幌支部 理科実験研修会 成功のポイント考える 専科教員向け実務研修も(札幌市 2024-08-19付)
教科書の実験を取り扱い、授業の進め方などを研修した
道小学校理科研究会(北理研、高屋敷優会長)札幌支部は7月下旬、札幌市立西宮の沢小学校で本年度教師のための理科実験研修会を開催した。会員、会員外合わせて約130人が参加。3~6年生の学年ごとの講座を開き、教科書どおりでは結果の出にくい実験について成功するための方法を伝えたほか、理科専科教員向けに実務や理科学習のポイントなどを紹介した。
研修会は、市内の教諭が対象。児童が理科の授業において楽しく学習を進められるよう、観察や実験の準備や授業の進め方、ポイントを学ぶことを目的に、3~6年生の学年ごとに講座を開いている。
また、前年度から理科専科教員に焦点を当てた実務研修を実施。長く専科指導を務める教員が講師を担い、授業展開や評価方法を紹介するとともに、参加者同士の情報共有や交流を促すことを目指した。
開会に当たり、高屋敷会長があいさつ。子どもが観察や実験を通して、本物に触れ、体系的に学ぶことができる活動の重要性を強調。「本研修では“自分が子どもだったらどう感じるか”を想像しながら実験に臨んでほしい」と期待した。
このあと、学年別研修を開始。それぞれ教科書の実験を取り扱い、安全面の配慮や結果を出す方法について、演習を中心とした研修を展開した。
3学年では「電気の通り道」「音のせいしつ」の2授業を行った。
電気の通り道では、電気が通る豆電球と乾電池のつなげ方、クリップや缶などの身の回りのものをつないで電気が通るかを実験。音のせいしつでは、トライアングルを使って音が出る時のものの様子、糸電話を使って音を伝えるものの震え方などを調べた。
4学年では「とじこめた空気と水」「水のすがた」の2授業を展開。注射器を使って閉じ込めた空気と水の性質を調べたほか、水を熱したり、冷やしたりした際の温度や水の様子について実験した。
5学年の講座では「物のとけ方」「電流が生み出す力」の2授業を行った。
物のとけ方では「水の量や温度によって、物のとける量は変わるか」「水に溶けた物は、どのようにすれば取り出せるか」について実験。電流が生み出す力では、乾電池や方位磁石、クリップなどを使って、電磁石の性質や電磁石を強くする方法を学んだ。
6学年では「てこのはたらきとしくみ」「水溶液の性質とはたらき」の2授業を実施した。
てこのはたらきとしくみでは、ネイルハンマーや実験用てこを駆使し、くぎ抜きやおもりを持ち上げる実験を行ったほか、てこが水平に釣り合うときのきまりを見い出した。
水溶液の性質とはたらきでは、食塩水や重曹水など5種類の水溶液の性質や炭酸水の中に溶けている物質を調べる実験を行った。
理科専科では、専科教員経験の長い教員がこれまで自分が担ってきた仕事内容や専科教員の難しさ、やりがいのほか、具体的な授業展開や評価方法など、理科学習のポイントを伝えた。
各研修講座の担当講師はつぎのとおり。=敬称略=
▼3年生
▽電気の通り道=横倉慎(あいの里東小教頭)
▽音のせいしつ=大塚晶紀(西岡小教諭)
▼4年生
▽とじこめた空気と水=岡部敏樹(北小教頭)
▽水のすがた=斉藤裕也(美しが丘緑小教諭)
▼5年生
▽物のとけ方=佐藤宏充(西野小教頭)
▽電流が生み出す力=佐野哲史(琴似小教諭)
▼6年生
▽てこのはたらきとしくみ=山本泰寛(本通小教頭)
▽水溶液の性質とはたらき=上西渓太(栄町小教諭)
▼理科専科
▽理科専科=三浦薫子(山鼻南小教諭)、小川裕之(もみじの森教諭)
(札幌市 2024-08-19付)
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