札幌市小学校長会5年度研究成果 研究集録から 第11回
(札幌市 2024-08-09付)

教育環境部

副主題:未来を創る「さっぽろっ子」の育成に向けた教育環境を充実させる学校経営の在り方

【研究内容】

▼研究副主題の解説

 グローバル化や情報化の進展、人工知能の進化に伴う社会の急激な変化の中で、たくましく、しなやかに生きる「さっぽろっ子」を育むために、各校では時代の要請に応えるべく教育活動を推進していかなければならない。教育課程の編成や学校運営の改善を図っていく上では、児童・学校、地域の特色や施設面を含めた環境を生かしていくことはもちろん、GIGAスクール構想実現に向けたICT整備に備えるとともに、幼保小との連携や、中学校と接続した教育活動、学校事務の共同実施の活用等、様々な連携も必要となってくる。

 また、児童の安全確保や学校に対する信頼を維持していくためには、既存の管理の考え方では十分とは言えない。新型コロナウイルス感染防止対策のような予期せぬ危機に対しても即座に対応せねばならず、様々な分野において、今まで以上に危機管理における校長の役割は大きくなっている。

 このような現状を踏まえ、教育環境部では研究副主題を「未来を創る“さっぽろっ子”の育成に向けた教育環境を充実させる学校経営の在り方」と設定した。

▼研究の視点

 本部会が実践交流にとどまらず、事例から一歩踏み込み、校長の役割・指導性について明らかにすることで、汎用性のある研究とし、校長の職能向上につなげたいと考え、五つの観点を含めた視点を設定した。

▽視点1 実際の事例から、望ましい取組の在り方を明らかにする

 実態の把握、課題の発見、危機への管理。

▽視点2 実際の校長の関わりから、望ましい校長の果たす役割を明らかにする

 総括と決断、成果の見極め。

【取組の具体】

▼研究体制

 5年度も4小部会体制とした。2年次研究のスタートに当たり、研究主題、研究の視点や小部会のテーマ、今日的課題に沿ってより質の高い話し合いを進めるため、前年度の小部会における研究内容について第2小部会を除き整理・再編した。第1小部会「環境→学校環境」、第3小部会「連携・協働→学校間地域連携」、第4小部会「防災・危機管理→学校安全」とし、新たなテーマも含め研究を進めている。

▽第1小部会(学校環境部会)

・学習環境の創造による特色ある教育活動

・施設、設備を活用した教育活動

・教育活動の充実を図る校内環境整備・校内模様替え・リニューアル等の工夫

・校舎内外の施設点検と維持管理の工夫

・校舎改修、改築への臨み方

・環境を充実させるための予算編成と執行

・用務員エリア支援、グループ支援

・物品、文書、保健、給食、薬品の管理

・学校事務との連携、予算・執行の管理

▽第2小部会(ICT環境部会)

・GIGAスクールに向けたICTの整備・活用・工夫

・校務支援システムの効果的な活用

・情報教育における教育課程の充実

・機器予算、情報管理、情報モラル

・家庭での活用、校内研修、会議・デジタル教科書

▽第3小部会(学校間地域連携部会)

・幼保小連携・小中一貫教育・小小連携

・地域を生かした教育課程連携

・教育資源の活用を図る地域との連携

・CSに向けた取組、PTAとの連携

・地域学校協働活動推進事業(旧サタデー)

▽第4小部会(学校安全部会)

・保護者や地域、関係機関との安全連携

・校内感染、疾病予防対策

・地域と連携した学校安全計画、防災環境

・スクールゾーン実行委員会、健全育成会との連携

・外部機関(警察・土木)との連携

▼研究の実際

▽部会は2部構成で実施

 全員に関わる提案や連絡等を行う全体会と、各テーマに沿って校長の役割・指導性について意見交流を行う小部会交流の2部構成で本部会を実施。

▽会場校の施設見学

 教育環境の効果的な活用法について研鑚を深めるための施設見学を実施。

▽関係機関と連携した学習会等

 市教委総務課・学校施設課担当者等を部会に招き、質疑応答を行う学習交流会を実施。

 今後は、本専門部の内容に関わる講師を招いた講演会や研修会等を開催予定。

(札幌市 2024-08-09付)

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