札幌市小学校長会5年度研究成果 研究集録から 第10回(札幌市 2024-08-08付)
学びの支援部
副主題:一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方
【研究内容】
▼研究副主題の解説
本部会で研究を進めている「通常の学級で配慮を要する児童、特別支援学級・通級指導教室、不登校児童」に対する指導、対応の充実は、昨今の大きな学校課題の一つである。学習指導要領前文は「自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え―」とある。
互いにかけがえのない人間として支え励まし合う温かい人間関係の中で児童一人ひとりに応じた人間尊重の教育をしていくことが求められている。これらを踏まえ、障がい、家庭環境、児童の特性等を多面的に捉え、多様性を理解しながらその子に応じた学びの場をつくっていく学校経営の推進を目指し、研究副主題を「一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方」を継続とした。
▽より深い「子ども理解」に基づいた指導ができる教職員を育てたい
▽校長自身が特別支援教育の教育課程を理解して、経営の重点に位置付けたい
▽児童・家庭・学校などの様々な不登校の要因を多面的に捉え、学校として適切に対応していきたい
―これら三つの願いを持ちながら、各校の取組実践を交流し、校長の役割と指導性を明らかにしていきたい。そして、具体的方策を明らかにし、より実践的で汎用的な研究を行って全市に発信していきたいと考える。
▼研究の視点
1 通常の学級の中での、配慮を要する児童への指導の充実について
・5年度=子ども一人ひとりを大切にする学校づくり・教職員育成のための校長の役割と指導性
2 特別支援学級・通級指導教室での指導の充実について
・5年度=教職員・学校全体での理解・専門性の向上に向けた校長の役割と指導性
3 不登校児童への対応について
・5年度=不登校の未然防止・早期対応・長期化対応において、発揮すべき校長の役割と指導性
【取組の具体】
▼研究体制
▽視点をもとに三つの部門別グループを構成する
グループごとに視点に沿った具体的課題を設定し、各校の経営の具体や調査活動、事例交流等を通し課題解決に向けた研究を進める。
▽三つの部門で校長が果たすべき役割や指導性という観点から常に考察して部内共有する
▼研究の実際
三つの研究の視点に基づいて校長が果たすべき役割や指導性の具体を明らかにすることに努める。
▽各部門の視点に関わる課題
・部門Ⅰ~視点1に関わって
子どもたちは多様であることを理解し、一人ひとりに最適な支援をしながら、共に学ぶことができる環境をつくっていく学校経営において「学校組織の工夫」と「児童理解の充実」への校長の関わりが、配慮を要する児童への指導の充実につながると考える。
・部門Ⅱ~視点2に関わって
教職員・学校全体での理解・専門性の向上に向け、「障がいに応じた教育課程の理解」「連携および情報共有」「教員の指導力向上」への校長の関わりが指導の充実につながると考える。
・部門Ⅲ~視点3に関わって
不登校の未然防止・早期対応・長期化対応のために、様々な要因を整理する「マトリックスの活用」「不登校状況の見える化・情報共有」「将来を見通した支援」「空間的精神的居場所の保障」への校長の関わりが対応の充実につながると考える。
▽研修会等
・スタートラインの確認として
市立札幌みなみの杜高等支援学校見学研修を5月15日に実施。田中進一校長(当時)から、学校設立理念を含め「出口から考える特別支援教育」につながる講演をいただいた。
・10月研修会での協議を受けて
各学校の実態・ニーズ等を受けて、各部門の課題の見直し、必要な研修、講師招聘を検討する。
(札幌市 2024-08-08付)
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