札幌市小学校長会5年度研究成果 研究集録から 第12回
(札幌市 2024-08-16付)

人材育成部

副主題:自ら学び続ける教員の育成と、多様な人材が活躍できる学校経営の在り方

【研究内容】

▼研究副主題の解説

 今、世の中は先の見えないVUCAの時代を迎えている。そうした中、学校現場において、変化や問題に柔軟に適切に対応できる教職員の育成が求められている。

 教員においては、業務遂行のための知識やスキル、諸課題への対応力を向上させるため、新たな研修制度のもと、自分の課題や目標を認識し、主体的・継続的に学びを積み重ねていくことが求められる。

 また、子どもたちの多様性に対応し、人間尊重の教育を推進するには、教員の力だけではなく、様々な職員との連携が欠かせない。子どもたちに関わる人材が、それぞれの持ち味を発揮し、学校教育を充実させていけるよう、教職員間の信頼関係構築や、職場の環境づくりを進めていかなければならない。

 併せて、本市の教育の重点ともなっている小中一貫した教育も含めた校種間連携の充実や、近い将来のコミュニティ・スクールの導入も見据えて、地域の教育力を生かしながら幅広い人材との連携による学校づくりを進めていかなければならない。

 自ら学び続け、成長し続ける教員と、学校内外の多様な人材が活躍・連携し、これからを担う子どもたちの成長を促していく。

 そんな学校づくりを進めていく上での校長の役割と指導性を明らかにしていく。

▼研究の視点

 「教員の育成」と「学校内外の人材の活用」を、本部会の研究の柱として、校長はいかに指導性を発揮していくべきかを視点とする。

▽視点1 自ら学び続ける教員の育成

 目標や問題意識を持ち、自分の成長に向けて主体的に学び続ける教員を育成するために、校長としてどのようなことを行っていくべきか。

▽視点2 多様な人材が活躍できる学校づくり

 教職員全員が計画的・継続的に研修を重ね、それぞれがチーム学校の一員として持ち味を発揮する学校。地域人材を生かし教育力を伸ばす学校。こうした学校の実現のために校長としてどのようなことを行っていくべきか。

【取組の具体】

▼研究体制

 各校の実践や考えを語り合いながら、問題の解決へ向けての方策や、校長が果たすべき役割について協議し、分かりやすく見えやすい研究を進めていく。

 研究協議については、部内に四つのグループを構成し、テーマに沿って行っていく。部会研究として整理したものを10月の市小研修会で、中間報告として発表し、校長会の皆さんから意見をいただく。

 外部から講師を招いて研修を行い、有識者からの情報や指導を次年度の研究へつなげる。

 グーグルミートを活用した部会開催を柱とし、必要に応じて、会同して協議を行う。働き方改革を実践しつつ研修を深めていく。

▼研究の実際

▽テーマに基づくグループおよび全体協議

・第1クール(4~6月)=学校経営を担う次世代の育成~道小提言づくりに向けて

 教頭・主幹教諭の育成の現状と課題、各校の取組について。

 学校運営に主体的に関わるミドルリーダーの育成について。

・第2クール(7~10月)=視点1 自ら学び続ける教職員の育成

 若年・ベテラン、それぞれに望む姿について~市教員育成指標を踏まえながら。

 校内・校外での学びの在り方について。

 評価の在り方について。

・第3クール(11~2月)=視点2 多様な人材の活用

 職種ごとの育成の在り方について(養護教諭・事務職員・用務員・栄養職員等)。

 外部人材との連携について。

 確かな人材育成のための環境づくり(人間関係づくり、働き方改革等)。

▽インプルーブ研修の計画と立案

▽講師を招いての研修

▽研究の総括と次年度へ向けて全体協議

(連載終わり)

(札幌市 2024-08-16付)

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