道内私立大・高連絡協議会 高大接続へ連携強化 講話で年内入試の対応など
(学校 2024-08-19付)

大・高連絡協議会
大学・高校連絡協議会

 道内私立大学・私立短期大学・高校連絡協議会が5日、ホテルライフォート札幌で開かれた。テーマ「新学習指導要領に対応する入学者選抜と大学教育との連携」のもと、講話やグループ協議。高大接続のさらなる推進に向けた課題や、年内入試の対応などについて議論を深めた。

 日本私立大学協会北海道支部、日本私立短期大学協会北海道支部、道高校長協会の3者が主催。大学・短大の入学者選抜の在り方について協議し、高校の進学指導および大学・短大の入学選抜方法の工夫改善に資するもの。大学・短大の入試関係者、道高校長協会・道高校進路指導協議会の担当者ら60人余りが出席した。

 あいさつに立った道高校長協会の宮澤一会長は、経済協力開発機構(OECD)のPISA2022において、読解力や科学的・数学的応用力が国際的にトップ水準を維持したことに触れ「高校は、義務教育の成果を確実に引き継ぎ、高等教育につなげていく役割がある」と強調した。

 近年の大学等における入学者選抜方法が複雑化する中、高校と大学の情報交換や連携が一層重要になっていることを指摘し「実効性のある高大接続改革につながるよう、大学・短大と高校長協会が積極的に連携を深めることが肝要だ」と呼びかけた。

 続いて、札幌北陵高校の加藤誠校長が「高大接続に関する課題に対応した学校経営の在り方」をテーマに、高校および大学に対して実施した年内入試に関するアンケート結果をもとに講話。

 アドミッション・ポリシーを意識した進学および学生確保に関する調査から、高校に求められる対応として「大学等入学後のミスマッチをなくし、安易な志望校選択をさせないことが大切だ」と述べた。

 年内入試における課題として、高校においては「早期進路決定による学習意欲の低下」が懸念される一方で、高校・大学共に「基礎学力不足」を指摘する回答が多かったことを示した。

 大学から高校に望むこととして「学習習慣定着に向けた取組」「生徒の主体性を育む指導」を知りたいとする声が多かったことを指摘。

 高校から大学に望むことについては「主体性の評価方法」「探究活動等の学びが大学入試で生かせているか」などの意見が上がったことを示し「学習習慣の定着に関しては、高校側の指導に問題があると認識する必要がある」とした。その上で、入学前教育に関する連携に一定のニーズがあるとし「高校とのコミュニケーションの充実が必要だ」と訴えた。

 当別高校や旭川東高校における新制度入試に対応した進路指導の実践事例を紹介し「年内入試は、明確な志望動機と入学後のビジョンが不可欠」「探究活動に重点を置き、生徒の思考力・判断力・表現力に加え、主体性の育成に向けた取組の推進が必要」と述べた。

 このあと、6グループに分かれて「年内入試に係る課題とその対応」についてグループ協議した。

(学校 2024-08-19付)

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