全水研が第６０回全国大会　新時代の水産・海洋教育とは　専門的職業人育成へ実践交流

（関係団体 2024-08-19付）

全国高校水産教育研究会全国大会

　全国高校水産教育研究会（全水研、上林秋男会長）は６日から２日間、ホテルライフォート札幌で第６０回全国大会を開催した。全国の水産・海洋高校の関係者が一堂に会し、研究協議や意見交換に参加。各地の実践を交流し、新しい時代における水産・海洋教育の在り方を探った。

　研究会は、教科「水産」設置校における教育指導上の諸課題について研究協議し、高校水産・海洋教育の充実を図ることがねらい。３６都道府県の水産・海洋高校の関係者約１００人が参加した。

　開会に当たり上林会長は、研究協議を通して高校水産・海洋教育の充実を図るとともに、都道府県・学校の枠を越えて交流を深めてもらうよう呼びかけた。

　来賓あいさつでは文部科学省初等中等教育局視学官・国立教育政策研究所研究開発部教育課程調査官の西澤美彦氏、道教委の中島俊明教育長がそれぞれ祝辞。大会実行委員長を務める小樽水産高校の亀山喜明校長は、水産・海洋教育の魅力を広く発信するとともに、従事する人材の育成に努めていく決意を示し、有意義な研究協議となるよう期待を寄せた。

　続いて田中学園立命館慶祥小学校の田中賢介理事長が「田中賢介は、なぜ学校をつくったのか～プロの世界で学んだ田中学園流マネジメント」と題して講演した。

　分科会では「新しい時代をリードする、創造的な水産・海洋教育」を主題に専門的職業人の育成に向けた教育について研究発表。第１分科会では小樽水産高の鶴岡理教諭がＩＣＴを活用した実践のほか、生徒自らが教員役になることで学ぶことの楽しみや学び方を覚える授業内容などを紹介した。

　新規となる第２分科会では「新時代の教師像」をテーマに水産・海洋の各分野におけるＩＣＴ機器の活用やＩＣＴ教材の共有化の効果的な実践事例を発表。教員確保の効果的な方策についても協議した。函館水産高校の中野隆行教諭は、ソフトウエアを活用した授業展開や教員確保の課題に関して情報提供を行い、教員のＩＣＴ活用指導力向上に向けた実践をより増やしていく必要性を提起した。

　２日目は学科別研究協議を実施。海洋工学系、水産食品系、潜水系の３学科・科目に分かれて教育実践を発表。高校生による意見・体験発表会を２日間にわたり行い、各地区の代表生徒８人が水産高校で得た学び、将来に向けた決意を語った。

(関係団体 2024-08-19付)