少年の主張根室地区大会 個性認め合う世の中に 別海上春別中2年・河本さん(関係団体 2024-08-16付)
【根室発】根室振興局は7月10日、別海町生涯学習センターみなくるで6年度少年の主張根室地区大会を開いた。審査の結果、「雑草」をテーマに発表した別海町立上春別中学校2年の河本さくらさんが最優秀賞を受賞した。河本さんは一つ一つに名前がある雑草と人間を重ね、偏見や固定観念にとらわれずに互いの個性を認め合うことの大切さを訴えた。
「雑草に名前はないのかな」。おばあちゃんと雑草抜きをしていた昨年の夏。私はふっとそんな疑問を抱きました。
私たち人間はもちろんのこと、動物や植物も、ある程度、名前で呼ばれています。それなのに、なぜ雑草は名前で呼ばれないのでしょうか。
というのも実は「雑草」という名前の植物は、なんと存在しないのです。「じゃあ私たちの呼んでいる雑草って何?」と疑問に思いませんか。
そこで早速検索してみると「雑草」とは「栽培しないのに生えるいろいろな草」という意味が出てきました。「いろいろな草」。例えば、皆さんも、一度は見たことがあるであろう「シロツメクサ」という雑草の一種。空き地や田畑などによく生える雑草で、小さく白い花がたくさん集まり、一つの花に見えるそうです。
また、皆さんにとって聞きなじみのある、あの細長い葉と犬の尾のような穂がついている「ネコジャラシ」という雑草。これは、実は「エノコログサ」という名前があります。空き地や田畑など、あらゆる場所で繁殖するそうです。
このように、そこら辺に生えている雑草は一つ一つ正式な名前があるのです。では、なぜ「雑草」とひとくくりにまとめられているのか。それは、特徴は違えど、雑草と呼ばれる草たちは、光や水、養分の奪い合いに弱いことから、豊かな森には生えず、道端や畑のような地味な場所を選び、生えるからだそうです。
私はそれを知り、雑草たちが他の植物にも負け、人間にも邪魔だと言われて抜かれていると思うと、なんだか切なく感じてしまいました。
しかし、その一方で私はあることが頭に浮かびました。それは、「雑草を一つ一つ名前で呼んだり、それぞれの特徴を理解したりすることで、一つの植物として見ることができるのではないか」と。もちろん、雑草は日当たりを悪くしたり、土の養分や水分を奪ったりするなど、他の植物の成長の妨げになってしまうのも事実です。
けれども一方で、雑草は、軟らかな土へと改良してくれる働きがあったり、水はけを良くしてくれたりするなどの良さもあります。今まで私は「雑草」というだけで、悪いイメージしか持っていませんでしたが、今回、調べる過程で良い面もあると知って、雑草に対するイメージが大きく変わりました。
そして私はここから「あること」に気付いたのです。それは「私たち人間と雑草は同じではないか」と。
例えば、皆さん、女性、男性というだけでイメージを決めつけてはいませんか。調べてみると「女性は感情的で面倒くさい」「男性は空気を読めない」など、固定されたイメージがあるそうです。ですが、女性も男性も、もちろん一人ひとり名前があり、それぞれの個性があります。また、誰にだって良いところもあれば、悪いところもあります。その人に最初は悪いイメージを持っていたけれど、実は良い人だった、なんてこともよくあります。
私は今、「雑草」のように、周りの勝手なイメージに縛られて、自分らしさを出すことのできない人に伝えたいです。あなたにも、あなたにしかない特別な名前があるということを。あなただけの「個性」があるということを。
皆さんはどうですか。一人ひとり違うのに、勝手なイメージでその人の個性を奪ってしまってはいませんか。
私はこれから、勝手なイメージで人を縛らず、その人の「良さ」を見つけてあげたい。その「良さ」を認めてあげ、その人の個性を伸ばしてあげたいと思っています。そうすれば、自分自身の視野が広がるだけではなく、その人も、自分の新たな一面、「すてきな個性」に気付くことができるかもしれないから。そして私だけではなく、人間一人ひとりが縛られたイメージから脱却し、いろいろな個性を認め合うことができるようになれば皆、自分らしく生きることができるようになると私は思うから。
雑草にもそれぞれの特徴があるように、私たち人間にもそれぞれの「個性」があります。誰もが持っているその個性。そんな個性を互いに認め合える世の中にしてみませんか。
【根室発】根室振興局は7月上旬、別海町生涯学習センターみなくるで6年度少年の主張根室地区大会を開いた。審査の結果、「雑草」をテーマに発表した別海町立上春別中学校2年の河本さくらさん〓写真〓が最優秀賞を受賞した。河本さんは一つ一つに名前がある雑草と人間を重ね、偏見や固定観念にとらわれずに互いの個性を認め合うことの大切さを訴えた。
(関係団体 2024-08-16付)
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