小樽市教委 いじめ防止基本方針改定案 多様性を認め支え合う 市長判断で緊急総合教育会議(市町村 2024-08-21付)
【小樽発】小樽市と小樽市教委は、いじめ防止基本方針改定案をまとめた。児童生徒が多様性を認め互いに支え合うことを重視。人権教育や「生命(いのち)の安全教育」の充実を図るほか、性的マイノリティーとされる児童生徒に対する適切な支援等に取り組む。市立学校では「いじめ見逃しゼロ」に向け積極的にいじめの認知を図る。重大事態への対処に当たっては、新たに市長の判断で緊急に総合教育会議を開催できるようにする。
市は、平成27年4月に基本方針を策定した。今回の改定では、児童生徒が多様性を認め互いに支え合うことを重視。従来どおり、市、市立学校、保護者、子ども、市民の役割を明記し、それぞれがいじめ防止に向けて取組を進めていくとした。
市教委の具体的な取組として、新たに児童の権利に関する条約やこども基本法の趣旨を踏まえた人権教育、アイヌ文化等の学習機会の充実を図る。
また、学校の教育活動全体を通じて望ましい人間関係を構築する能力やコミュニケーション能力の育成を図る取組の充実に向けて、ソーシャル・スキル・トレーニングなどの心理教育プログラムの推進などに取り組む。
このほか、性暴力防止に向けた生命の安全教育、性的マイノリティーとされる児童生徒に対する適切な支援および教職員への啓発や研修の充実を図る。
また、児童生徒に自ら周囲に援助を求めることの重要性を理解させる取組を推進。道教委の相談窓口「おなやみポスト」などの活用、自殺を予防するためのプログラムの普及・啓発、「SOSの出し方に関する教育」の指導例の配布・周知などを行う。多様な背景を持つ児童生徒のプライバシーに配慮しながら、日常的・組織的な取組を進めるほか、ヤングケアラーの特徴や実情を理解するための研修を実施する。
市立学校では、校長のリーダーシップのもと、教員とスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフとの連携・協働や学校のマネジメントが組織的に行われる体制を整備するとともに、家庭、地域、関係機関等と連携した「社会に開かれたチーム学校」として、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に努める。
インターネット上のいじめに対処する体制を整備するとともに、「いじめ見逃しゼロ」に向け積極的にいじめを認知していく。対策組織の体制整備に当たっては、教職員の心理的安全性の確保に努め、情報共有を行いやすい環境の醸成を図る。
重大事態への対処について、児童生徒の生命または身体に現に被害が生じている、まさに被害が生ずる恐れがあると見込まれる場合等は、新たに市長の判断で緊急に総合教育会議を開催できるようにする。
(市町村 2024-08-21付)
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