働き方改革と校務DX研修講座 ICT活用と業務改善を稚内市教委 新保氏が講話(市町村 2024-08-26付)
稚内市教育研究所研修講座
【稚内発】稚内市教委は20日、市生涯学習総合支援センターで研修講座「働き方改革と校務DX」を開催した。主管は市教育研究所。市内の教職員ら約30人が参加した。文部科学省学校DXアドバイザーや認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム理事長を務める新保元康氏が講師を務め、学校におけるICT活用やDX推進の必要性などを解説した。
同所は本年度①平和学習に関する資料の収集、保管、提供②ICTの効果的な活用―の二つをテーマに所員研究の推進や研修講座などを開催している。
開会に当たり、市教委の安田和生学校教育課長があいさつ。「働き方改革をすぐに推進するのは難しいが、一人ひとりの意識で対応できるものもある。研修の成果に期待したい」と述べた。
つぎに、新保氏が「学校DXはなぜ必要なの?」を演題に講話。学校の現状などを紹介した上で働き方改革や諸課題の解決に向けたDX推進の必要性を呼びかけた。
新保氏は冒頭、学校現場の人材不足や日本全体の生産年齢人口が今後も減少していく可能性が高いことなどをデータで示すとともに、学校におけるDX推進の必要性を強調。「DX推進は現在のためだけではなく、自分たちが今後も働き続ける環境を整備していく面でも重要性が高い」と説いた。
学校においては、特別な支援が必要な子どもや外国籍の子どもなど、今以上に教室内で多様化が進む可能性を示した上で「児童生徒の多様化だけではなく教職員の多様性を考慮した運営が求められていく。業務の効率化を進めなければ、質の高い教育と多様性を踏まえた教育の両立は難しい」とし、ICT活用や通例となっている業務を見直していく必要性を提言した。
また、現状の学校現場のICT活用にも言及。「現状は授業における端末やICT活用が重要視されている。GIGAスクールの本来の目的にはDXによる働き方改革推進も含まれている」と述べた。
まとめでは、現在は日本教育が大転換期を迎えていることを強調。「今後の生産年齢人口減少を考慮すると、生成AIの活用などの学校DXは推進しなければいけない。将来の教職員や今の教職員が今後も働き続けるためにも、ICTの活用と業務改善に取り組んでほしい」と呼びかけた。
(市町村 2024-08-26付)
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