同僚性高める校内研修を 道教委が教員育成協議会 Plant活用で主体的学び推進(道・道教委 2024-08-22付)
教員養成協議会
道教委は19日、札幌市内の道第二水産ビルで第1回道教員育成協議会を開催した。教員育成指標を踏まえた教員の資質・能力の向上をテーマに意見交換。職場の同僚性を高める校内研修の重要性や、全国教員研修プラットフォーム(Plant)を有効に活用して教員の主体的な学びを進める必要性を確認した。
協議会は教員の資質に関する指標や教員の資質向上に関して協議するため開催。
4種校長会、市町村教委やPTA団体の代表、大学の有識者ら委員11人が出席した。
開会に当たり伊藤伸一学校教育局長は、道内教育関係者がこれまで以上に教員育成の方向性を共有し、教員の養成・採用・研修の各段階における取組の一層の充実を図る必要があるとし「北海道の教員一人ひとりが生き生きと学び、子どもや保護者にとって魅力ある教員として成長するため忌憚のない意見を」と求めた。
続いて教員の資質・能力の向上に向けて①教職課程や教育実習の在り方②校内研修の充実③管理職の資質向上④子ども・保護者にとって身に付けてほしい教員の資質・能力―の四つの観点から意見交換。
校内研修に関しては「教員の主体性や同僚性」「あすからの授業・指導に役立つ実践力」の重要性が指摘され「熟練教員と若手教員が互いに学び合う同僚性を高めることが必要」「“教えてもらう”校内研修から“主体的に学ぶ”校内研修の転換が求められる」と意見。気さくに相談できる先輩教員の存在や一人職種である養護教諭や栄養教諭が相談・意見交換できる仕組みの必要性も指摘された。
管理職の資質向上に向けては、情報の収集力とエビデンスに基づく学校課題の分析力、学校課題と教員の問題意識を関連させて自己肯定感やモチベーションを高める調整力が求められるとし「全ての教員が経験年数・専門性に応じて資質・能力を高める研修体系の構築が必要」「同じベクトルで目標に向かう校長のリーダーシップが必要」と意見した。
幼児教育関係者からは、特別な支援が必要な園児が年々増加している現状を報告。特別支援に関する免許を取得できるオンライン講座はあるものの、多忙な保育現場の状況で受講が困難な状況にあることから、養成段階で免許を取得できる仕組みの必要性を訴えた。
PTAからは「教師が子ども一人ひとりの学びの伴走者となるためには時間の確保が必要。国や教育委員会が学校現場を考え、地域で差のない校内研修の仕組みを考えてほしい」と期待を寄せた。
最後に伊藤局長は「現在は教員の研修の在り方が大きく変化する過渡期。先生、子どもたち、そして社会全体が変化を実感するまでより良い研修環境の構築に取り組んでいきたい」と締めくくった。
(道・道教委 2024-08-22付)
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