道教委　仮想空間で不登校支援　メタ☆キャンパス　２６日開校　多様な学び提供へ試行開始

（道・道教委 2024-08-23付）

学びの広場や交流スペースなど様々な階層を用意

　道教委は、学校内外で専門的な相談・支援を受けていない不登校児童生徒を支援するため、メタバースを活用した調査研究に着手する。仮想空間で学習支援や教育相談などを行う「ほっかいどう　メタ☆キャンパス」を２６日から開校。多様な学びの機会を提供し、学びや支援にアクセスする仕組みを構築する。

　全国的に不登校児童生徒数が増加する中、従来の方法では支援が届かない児童生徒が増えている。国の調査によると、専門機関とつながっていない不登校児童生徒の割合は小学校で２０・１％、中学校で２５・７％となっている。

　このため道教委は文部科学省の事業を受託してメタバースを活用した調査研究を開始。不登校支援の施策の一つとして、個々の支援ニーズを踏まえた多様な学びの場を提供し、学びや支援にアクセスできない子どもをゼロにすることを目指す。

　仮想空間では児童生徒が分身となるアバターを動かし、ＡＩドリルを活用した個別学習、ソーシャルスキルトレーニング、教育相談、カウンセリングなどを受けることができ、自分のペースで学び、得意分野を探しながら仲間とのつながりをつくることができる。

　教員経験があり公認心理師などの資格を有する支援員２人が学習支援などを担当。仮想空間では、学習の場となる「学びの広場」、交流スペースとなる「みんなの広場」、イベント会場や図書室など様々なステージを用意し、休み時間には子どもたち同士で自由に交流できる時間を設定する。

　実施期間は２６日から７年２月末まで。小学校第５・６学年と中学校の児童生徒が対象で、道内１０市町村の市町村立学校と道立学校から約２０人が参加予定となっている。本年度は試行期間と位置付け、調査研究の成果を踏まえて次年度以降の取組の方向性を検討する。

(道・道教委 2024-08-23付)