道教委　高校教育課程研究協議会　社会変える力付けるには　北大院・山中教授が講演

（道・道教委 2024-08-23付）

　道教委は１９日から２日間、札幌市内の道第二水産ビルなどを会場に６年度高校教育課程（各教科担当指導主事等）研究協議会を開いた。北海道大学大学院地球環境科学研究院の山中康裕教授が「社会を変える力（エージェンシー）を身につける」と題して講演。山中教授は、保護者や教員と相互に協力して生徒の目標達成に向けて挑戦する「共同エージェンシー」を紹介したほか、様々な人と対話する重要性、生徒の成長を促すために振り返りを行うことの大切さなどを説いた。

　協議会は、高校における教育課程編成・実施上の課題および各教科における学習指導上の諸問題について研究協議を行い、高校教育の改善・充実に資することが目的。道教委の高校教育担当指導主事や市町村教委の指導主事ら１５６人が参加した。

　初日の開会式では、道教委の髙田安利高校教育課長があいさつ。２日間にわたる研究協議や情報交換で得た成果を今後の各種研修会や学校教育指導等を通じて、各学校に還元するよう期待した。

　引き続き、山中教授が「社会を変える力（エージェンシー）を身につける」と題して講演した。

　はじめに、会議やプレゼンテーションの内容を絵や図形を用いて分かりやすく伝える手法「グラフィックレコーディング（グラレコ）」を紹介。話すことが苦手だった生徒がグラレコを使って自信が付き、そこから人生が変わった事例などを示した。

　また、これからの時代に必要な力として、自ら考え行動し、社会変革を実現していく力「エージェンシー」を提示。保護者や教員らが生徒と共にゴールに向けて協力して進む「共同エージェンシー」についても解説した。

　このほか、対話と振り返りを行うことの大切さにも触れ、学校外の人々と対話する重要性や振り返りが生徒の成長を促すことにつながることなどを強調した。

　このあと、ワークショップI・Ⅱを実施。Iでは、①入選業務でつなぐ「中学校と高校」②生成ＡＩで仕事を変える！③ＳＴＥＡＭ教育の推進④高校の魅力化・特色化―の４コマから一つを選択して受講し、Ⅱでは「高校教育における今日的な課題への対応および自らのキャリアプラン」「教育課題の解決に向けた探究」の２講座を展開した。

(道・道教委 2024-08-23付)