道教委と道特長など３団体が懇談会　緊急度高い学校を優先　知的義務併置校狭あい化対策

（関係団体 2024-08-28付）

道教委と道特長など３団体文教施策要望懇談会

　道教委と道特別支援学校長会（四木定宏会長）、道特別支援学校副校長・教頭会（近藤嘉清会長）、道公立学校事務長会（鈴木貴之会長）は２２日、道庁別館で文教施策懇談会を開いた。道教委は、知的義務併置校の狭あい化対策に向け「今後、緊急度の高い学校を優先し、整備を検討していく」と回答。医療的ケア看護職員の配置や配置方法等については、看護師等を対象とした研修会を実施するなど、体制の充実を図るほか、学校や地域の実情等に応じた看護師配置の在り方を検討していく考えを示した。

　開会に当たり、四木会長があいさつ。「障がいのある子どもが心身共に健やかに成長・発達し、将来の社会で活躍できるために必要な資質・能力を身に付けられるよう、学校が主体となって地域社会と協働して、必要な教育を行うことは、私たち教育者の使命であり責務」と強調。北海道教育推進計画や、特別支援教育に関する基本方針など、道教委の教育施策を強力に推進するために、関係者間で本道の特別支援教育推進上の課題や目標を共有し、協働で課題解決に向かうことの重要性を説いた。

　道教委の針ヶ谷一義特別支援教育担当局長は、校長会と多様な障がいに対応できる教員の専門性を担保していくための中・長期的な視点での人材育成の方向性を共有しながら本道の特別支援教育の充実に向けた様々な施策を関連付けて推進していく考えを示した。

　引き続き、３団体の担当者が要望書の概要や重点要望事項を中心に説明し、道教委各課が回答した。

　知的・自閉症特別支援学級における高等部単置校の募集枠の拡充について、高等部単置校の定員は、進学希望者の状況に応じて毎年度設定していることを伝え「引き続き、進学希望者数に見合った定員確保に努めていく」と回答。知的義務併置校の狭あい化対策に向けては、今後の児童生徒数の推移を見極めた上で、緊急度の高い学校を優先し、整備を検討していく考えを示した。

　医療的ケア看護職員の配置や、学校や地域の実情等に応じた医療的ケア看護職員の配置方法の検討等の体制整備については「高度な医療的ケアを必要とする児童生徒に対応するため、看護師等を対象とした研修会を実施するなど、体制の充実を図るとともに、学校や地域の実情等に応じた看護師配置の在り方を検討していく」と答えた。

　医療機関に入院し、訪問教育を受けている児童生徒に対するワイファイ環境整備については、当該実情に係る課題等を整理しながら、検討していく考えを示した。

　スクールバスの運行に当たっては、バスと添乗員を合わせた契約を基本としているが、一部形態が異なっている学校があることを報告。その上で、今後、バス協会など関係団体等に対して働きかけていくとともに、関係教育局と連携しながら、運行体制の確立に努めていく意向を表明した。

　このあと、各障がい種、各組織における現状と今後の課題などについて意見交換を行った。

(関係団体 2024-08-28付)