こども家庭庁 7年度概算要求 日本版DBS施行へ準備 安全対策設備の補助率引上げも
(国 2024-08-29付)

 こども家庭庁は、7年度予算概算要求をまとめた。要求額は、一般会計と特別会計を合わせ6年度当初比2394億円増の6兆4600億円で、こども関連業務従事者に性犯罪歴等を確認する「日本版DBS」の8年度施行に向けた準備費に22億円を措置。性犯罪歴を登録するシステムの設計・開発を行う。また、保育所・自治体における業務負担軽減のため、先端的な保育ICTや人材育成・普及・啓発のモデルとなる「保活ラボ」への支援を開始。「AI見守りカメラ」などの安全対策の設備導入を進めるための補助率を2分の1から3分の2に引き上げる。

 7年度予算は①こども・若者世代の視点に立った政策推進とDXの強化②若い世代のライフデザインの可能性の最大化と社会全体の意識改革等③より良い子育て環境の提供④すべてのこどもの健やかな成長の保障―の四つを柱に設定。5年12月に閣議決定した「こども未来戦略」の加速化プランに盛り込まれた事業を本格的に実行するために必要な予算を要求する。

 また、子どもの自殺対策やいじめ防止・不登校対策、性暴力防止法を含む安全対策など、加速化プラン以外の重要課題についても所要の予算を要望した。

 新規事業をみると、放課後児童クラブDXを推進するため、利用調整の円滑化による待機児童対策、利用者の利便性向上、業務負担軽減などを図る実証事業を創設する。

 また、地方公共団体におけるこどもデータ連携の実証事業を拡大するほか、保育DXを推進する。保育所・自治体の業務負担軽減のため、ICT環境整備を支援するとともに、先端的な保育ICTや人材育成・普及啓発のモデルとなる「保活ラボ」への支援を開始。睡眠中の事故防止対策に必要な機器や「AI見守りカメラ」などの安全対策の設備導入を進めるため、補助率を2分の1から3分の2に引き上げる。

 国が構築しているシステム等と児童相談所独自システム間のデータ連携等を行うため、児童相談所独自システムの改修費等の補助などを推進。児童相談所等におけるICT化では、業務負担軽減のため、ビデオ通話やテレビ会議、タブレット端末等の活用を支援する。

 こども性暴力防止法を円滑・着実に施行するため、7年度に行う重要課題・論点の検討やガイドライン等作成のための調査研究や有識者会議の開催、広報活動等を進める。こども性暴力防止法施行に当たり、民間教育保育等事業者からの認定申請、対象事業者からの犯罪事実確認書の交付申請、定期報告の受付、審査等を行い、認定・交付・監督するシステムの設計・開発を行う。

 不登校の子どもの社会的自立のため、子・保護者の悩み等に対し、20自治体程度を委託先として各地域における子どもの育ちの点からきめ細かく対応する支援策の実証や体制構築を支援。地域における包括的で切れ目のない支援体制構築モデルを創出する。

 拡充事業をみると、保育所整備等の支援を拡充し、こども誰でも通院制度などの取組を支援するための補助率を2分の1から3分の2に引き上げるとともに、待機児童数を踏まえ、かさ上げ要件の見直しを行う。

 ヤングケアラー支援に向けた実態調査や、個別相談対応を行うコーディネーターの配置も補助するほか、医療的ケア児支援、聴覚障害児が通う学校への巡回支援の拡充などを盛り込んだ。

(国 2024-08-29付)

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