部活動改革実行会議が初会合　国による財政支援不可欠　推進期間　８年度以降に延長

（国 2024-08-26付）

　スポーツ庁と文化庁は２３日、地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議の初会合を開いた。８年度以降を部活動改革の次期推進期間に位置付ける方針を示し、今後の改革の方向性や支援の在り方について協議。部活動の地域移行を後押しする国による財政支援の充実や、学習指導要領における部活動の規定見直しを求める意見が上がった。

　国は５～７年度を部活動改革の推進期間に設定。実証事業を通して運営団体・実施主体の体制整備、指導者の確保、参加者費用負担への支援などを行ってきた。

　一方、取組の進捗状況は自治体間で差があり、８年度以降も休日・平日の部活動の地域移行を着実に進めるため改革の推進期間を延長。目的を従来の「体験機会の確保」「教員の負担軽減」にとどめることなく、子ども・大人・高齢者・障がい者の参加・交流の推進、地域住民の健康増進、地域社会の維持・活性化と幅広く捉えて改革を継続する。部活動・地域クラブ活動のガイドライン改正にも着手。対象は引き続き公立中学校の生徒の活動を対象とする。

　委員は、８年度以降の財政支援がなくなることで地域移行の取組が後退することが懸念されるとし「部活動の地域移行を後押しする国の財政支援は不可欠」と意見。部活動指導者の質の保障と量を確保するため、採用基準の明確化や定期的な研修の実施・拡大、地域移行の受け皿への事業委託費、移動手段確保のための支援を求めた。

　学習指導要領における部活動の位置付けに関しても意見交換。教育活動の一環とする現行の規定を見直すほか、高校入試における評価の在り方の見直しや「部活動」の名称変更を提案した。部活動が果たしてきた教育的意義から、指導を希望しない教員の負担軽減を図りつつ、学校教育とのつながりを残すよう求める声もあった。

　今後、スポーツ・文化芸術の各ワーキンググループにおいて実証事業の課題整理や解決策を検討。部活動・地域クラブ活動ガイドラインの見直しに向けた論点整理も行い、来年春ごろをめどに方向性を示す予定。

(国 2024-08-26付)