いじめ重大事態調査指針 改訂案了承、近く通知 学校対応、保護者説明など明記
(国 2024-08-27付)

 文部科学省は23日、第2回いじめ防止対策協議会を開き、いじめの重大事態調査に関するガイドライン改訂案の最終審議を概ね了承した。重大事態調査における学校・学校設置者の対応や基本的姿勢、調査組織における第三者に関する考えなどを明確化。重大事態対応に関するチェックリストと合わせ、近日中に関係者に通知する。

 いじめ重大事態の発生件数は増加傾向にあり、4年度は923件と過去最多を記録。学校・学校設置者の連携不足による対応の遅延、事前説明の不足による保護者とのトラブル、報告書で事実関係や再発防止策が読み取れない例などがあり、ガイドラインを改訂する。

 7月に実施したパブリックコメントをもとに素案を修正。改訂の要点をみると、重大事態の発生を防ぐ未然防止・平時の備え、詳細な事実確認の確認や実効性のある再発防止策の検討など学校・学校設置者の基本的姿勢を追記した。

 学校単独で対応できない事案における警察との連携の必要性も明記。学校いじめ防止基本方針の位置付けや役割を詳述し「学校評価や教員評価において、いじめの有無・多寡のみで評価を行わないこと」を明らかにする。

 保護者からの申し立てがあった場合の対応では、早期支援を行うため必要な事実確認を行う学校の役割に加え、法的根拠から重大事態に該当しないケースにも言及。この場合、いじめの事実が起こり得ないことを客観的・合理的な資料を使って学校・学校設置者が説明・証明する必要性を示している。

 調査組織に第三者を加える必要性が高いケースとして「対象児童生徒が死亡し自殺または自殺が疑われる重大事態」「保護者との間で信頼関係が失われている重大事態」など具体化。「当該学校での勤務実績がない」など第三者に関する考え方も示す。

 保護者や児童生徒に対する事前説明の手順・説明事項を詳述。重大事態で調査すべき調査項目、聴き取り時における留意事項、報告書の共通事項を記載する。最終審議をもとにガイドラインを修正。文科省は早期に学校現場に周知する考え。

(国 2024-08-27付)

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