７年度　文科省の不登校・いじめ対策　ＳＳＲ支援員　３０００校に配置　国際フォーラム開催など計画

（国 2024-09-02付）

　文部科学省は７年度不登校・いじめ対策の方向性をまとめた。全国の小・中学校３０００校に校内教育支援センター（スペシャルサポートルーム等）支援員を新たに配置するほか、不登校対策に関する国際的状況の認識を共有する「不登校国際フォーラム」の開催準備を計画。いじめ対策では加害児童生徒への指導・支援などを担う「いじめ対策マイスター」派遣制度モデルの構築に着手する。

　７年度予算概算要求に占める不登校・いじめ対策の要望額は前年度比２３・８％増となる１０９億円。こども家庭庁と連携し施策を展開する。

　新規となる校内教育支援センターの設置促進・機能強化事業には１４億円を要望。このうち校内教育支援センター支援員配置に１１・３億円を措置し、学校設置者への国庫補助を開始する。支援員は不登校傾向のある児童生徒への日常的な学習支援、スクールカウンセラーなどの専門家と連携した相談支援を行い、学校復帰段階にある児童生徒、不登校傾向のある児童生徒が安心して学習・相談支援を受ける環境を整備する。

校内教育支援センター設置促進の経費も引き続き要望。対象校は１６００校を見込んでいる。

　学びの多様化学校の設置促進に向けては設置前の準備支援に１１校、設置後の運営支援に２１校を見込む。学びの多様化学校として小・中学校を設置する自治体への施設整備補助も要求し、９年度までに全都道府県・政令指定都市に１校以上、将来的に３８校の設置を目指す。

　「不登校国際フォーラム」開催に向けた調査研究にも着手。学校教育が本来持つ意義や価値を再確認し、社会全体で対策を進める契機とする。

　いじめ対策では加害児童生徒への指導・支援、再発防止の取組を実施するいじめ対策マイスター派遣制度モデルの構築に着手。５都道府県、１５市区町村の教育委員会で試行配置する。いじめ未然防止教育のモデル事業も開始し、指導案・指導教材・研修資料のほか、学校が使いやすい指導過程を解説した動画教材を作成して学校現場に周知する。

(国 2024-09-02付)