文科省　特別支援体制整備状況　道内特支未経験　６９・７％　実態把握の実施等　１００％達成

（国 2024-09-10付）

特別支援教育に関する経験が２年以上ある道内教員（複数回答）（クリックすると拡大表示されます）

　文部科学省は、５年度特別支援教育体制整備状況調査の結果（５年５月１日時点）をまとめた。札幌市を除く道内において、前回調査で達した校内委員会の設置率１００％に続き、実態把握の実施、特別支援教育コーディネーターの指名も全校種で１００％を達成。今回調査からの新項目「教師の特別支援教育に関する専門性向上」では、特別支援教育に関する経験をいずれも有しない教員が全校種合計で６９・７％となり、小・中学校は全国と比べ低く、高校は高いことが分かった。

　対象は、国公私立幼保連携型認定こども園、幼、小、中、義務教育学校、高校、中等教育学校の４万５６４５校（園）。主に①校内委員会の設置②発達障がいを含む障がいのある幼児児童生徒の実態把握③特別支援教育コーディネーターの指名④個別の指導計画の作成⑤個別の教育支援計画の作成⑥教師の特別支援教育に関する専門性向上―の６項目を調査した。

　道内分（公立のみ）の結果をみると、前年度調査で１００％を達成した校内委員会の設置率に加え、実態把握の実施、特別支援教育コーディネーターの指名も全校種で１００％に到達。

　特別支援学級および通級指導の児童生徒のうち、個別の指導計画、支援計画の作成率はいずれも引き続き１００％を達成した。

　通常の学級における個別の指導計画の作成率は５・５ポイント減の８４・４％、個別の教育支援計画の作成率は、２０・８ポイント減の４５・５％と減少した。

　一方、「合理的配慮」の明記は５・２ポイント増の９９・２％。個別の教育支援計画の作成における関係機関等との情報共有を行っている割合は、０・４ポイント増の９９・９％となった。

　新項目「教師の特別支援教育に関する専門性向上」では、採用後１０年までの正規雇用教員のうち、２年以上特別支援教育に関する経験があるかを調査した。

　特別支援教育に関する経験をいずれも有しない教員は、全国で小学校が８５・４％、中学校が５９・７％、高校が８８・２％の計７８・３％。一方、道内では、小学校が６５・５％、中学校が５８・３％、高校が９２・５％の計６９・７となり、小・中学校は全国と比べ低く、高校は高い結果となった。

(国 2024-09-10付)