文科省　通級指導状況調査　道内１３％増の８７６８人　全校種で増　ＡＤＨＤ１.３倍に

（国 2024-09-10付）

通級を受けている道内児童生徒数（クリックすると拡大表示されます）

　文部科学省は通級による指導の実施状況の４年度調査結果（５年３月３１日時点）をまとめた。通級指導を受けている道内国公私立学校（札幌市を含む）の児童生徒数は前年度比１３・２％増の８７６８人。各障がい種で増加しており、ＡＤＨＤ（注意欠陥多動性障がい）は１・３倍となっている。

　調査は国公私立の小・中学校、高校で通級による児童生徒数を把握するため毎年度実施しているもの。

　道内の国公私立学校で通教指導を受けている児童生徒は１０２４人増の８７６８人。全体の６５・１％が自校通級、３１・９％が他校通級、２・８％が巡回通級となっている。障がい種の内訳は、言語障がいが３５９０人、ＡＤＨＤが１７７８人、情緒障がいが１４４５人、ＬＤ（学習障がい）が１２７３人、自閉症が５７５人、難聴が８８人、弱視が１５人、肢体不自由が３人、病弱・身体虚弱が１人。

　通級指導を実施している公立学校は小学校が６５５校、中学校が１５４校、高校が６校の計８１５校。児童生徒数は小学校が前年度比１２・１％増の７７５５人、中学校が２４・６％増の９６７人、高校が２２・２％増の４４人だった。

　高校で通級による指導が必要と判断した生徒は４８人おり、うち指導を行わなかった生徒は４人。理由は「本人や保護者が希望しなかった」「加配がつかず巡回通級・他校通級の調整もできなかった」など。

　通級指導を受ける児童生徒が増加する要因として文科省は、特別支援教育の仕組みや発達障がいに対する保護者・児童生徒の理解の深まりや指導環境の整備などが考えられると分析。７年度概算要求では引き続き通級指導教員の基礎定数化の推進、効果的・効率的な巡回指導のモデル事業実施の予算を要望している。

(国 2024-09-10付)