文科省　教育情報化実態調査　セキュリティポリシー　８割超で策定　指導者用電子教科書は最下位

（国 2024-09-03付）

学校におけるICT環境整備状況（クリックすると拡大表示されます）

　文部科学省は８月３０日、学校における教育の情報化の実態等に関する５年度調査結果（速報値）を公表した。札幌市を含む道内公立学校における状況をみると、学校向け教育情報セキュリティポリシーの策定率は８５・６％で全国平均以上。デジタル教科書の整備率は学習者用が８５・３％で全国平均を下回ったほか、指導者用に関しては全都道府県で最も低かった。

　調査は、初等中等教育における教育の情報化の実態等を把握して関連施策の推進を図るため毎年度実施。これまで市町村別の調査結果も公表していたが、数値が大きく変更する可能性があることから速報値での公表を見送った。

　調査対象は全国の公立学校（小学校、中学校、義務教育学校、高校、中等教育学校、特別支援学校）。調査基準日は３月１日となっている。

　道内の無線ＬＡＮまたは移動通信システムでインターネットに接続する普通教室の割合は９５・７％。１Ｇｂｐｓ以上（大規模校の全学年全ての授業でクラウド・デジタル教科書を活用しても支障のない推奨帯域）のインターネットの接続状況は５１・６％だった。

　普通教室の大型提示装置は７７・２％、統合型校務支援システムの整備率は８５・３で、いずれも全国平均以下となった。指導者用デジタル教科書の整備率は４・８ポイント上昇して７７・０％となったが、４年連続で全都道府県中最下位となっている。

　学校向け教育情報セキュリティポリシーの策定率は前年度から１１・３ポイント上昇して８５・８％に。授業・校務におけるクラウドの利活用が進む中、セキュリティー対策の高度化への対応が進みつつあり、道教委は今後、策定率１００％の達成を目指すとしている。

　教員のＩＣＴ活用指導力は各教科等の授業を定期的に担当している全教員を対象に、自己評価形式で調査した。　

　本道の結果をみると、教材研究・指導の準備、評価、校務におけるＩＣＴの活用能力は８９・９％、授業での指導能力は８０・６％、児童生徒のＩＣＴ活用の指導能力は８３・３％、情報活用の基盤となる知識・態度の指導能力は８９・５％となり、いずれも前年度に続いて全国平均を上回っている。

　一方、ＩＣＴ活用指導力向上に向けた研修（校内研修、教育委員会研修、研究会など）の受講率は６９・６％で、全国平均を２・４ポイントとやや下回った。

(国 2024-09-03付)