経産省 学校支援へ体験&研修会 民間ツールで業務効率化 道・札幌市教委が実践共有(国 2024-08-16付)
経済産業省は7日、グランドメルキュール札幌大通公園で学校活動支援サービス体験&研修会in札幌を開催した。学校業務の効率化・省力化を図る民間教育サービスの体験ブースでは、校務や授業支援など様々な分野で活用できる25社の民間ツールを紹介。トークセッションでは道教委の中島俊明教育長、札幌市教委の山根直樹教育長らが登壇し、業務改善の実践や知見を共有した。
経産省は民間企業と連携して探究的な学びを支援する教材の整備・普及に取り組んでおり、本年度から教職員の業務効率化・省力化を進める補助金を創設している。採択を受けた民間企業のサービス体験会を全国8ヵ所で開催し、利用する教育機関の増加と全国的な普及を目指している。
会場では25企業がブースを設置し、サービスの内容や導入方法を説明。デジタル採点などの業務支援サービスのほか、AIドリル、プログラミング教材、学力や非認知能力の評価ツール、日本語教育や部活動指導アプリなど内容は多岐にわたり、導入を検討する関係者が熱心に耳を傾けた。
トークセッションでは前長野県教委教育長の内堀繁利氏がコメンテーターを務め、道教委の中島教育長、札幌市教委の山根教育長と学校教育部教職員課の折笠大和労務担当課長、帯広三条高校の合浦英則校長、札幌市立発寒東小学校の鳥丸俊郎校長が意見を交わした。
合浦校長は、シフト制の導入・改良、コーディネーターや外部人材を活用した探究活動など働き方改革の取組を伝え、教員のアイデアをもとに改革を実現する新たな流れができていることを紹介した。
鳥丸校長は保護者との連携アプリをはじめとする校務DXの事例を紹介し、フォームによるアンケートや学校運営協議会におけるチャット機能の活用といった様々な活用事例と業務改善の効果を報告した。
中島教育長は管内における推進チームや働き方改革担当主幹の設置など働き方改革の推進体制や、北海道アクション・プランに基づくこれまでの取組を発表。学校外の協力を得て課題解決を図り「働きやすさ」と「働きがい」の両立を追求し子どもたちの教育活動の充実につなげる必要性を示した。
山根教育長は新たに導入した出退勤管理システムや2学期から導入予定のデジタル採点システムを紹介。客観的・専門的視点を持つ民間コンサルの視点に基づく業務改善や、各種研修を通しICTツールの導入に粘り強く取り組む重要性を説いた。
内堀氏は、働き方改革の取組を持続させるため、企業や国の補助金など自治体外の財源を確保する視点を提起。勤務時間の縮減を目的化することなく、本来の目的に立ち返る必要性を示し「子どもたちや教員へと時間を返し“やらなければならないこと”だけではなく“やりたいこと”ができる環境をつくり、教員のウェルビーイングにつながることが大切」と述べた。
(国 2024-08-16付)
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