文科省　７年度概算要求検討事項　被災地支援Ｄ―ＥＳＴ　処遇改善、人員体制充実など

（国 2024-08-05付）

　文部科学省は７年度予算概算要求における主要検討事項をまとめた。中教審特別部会の提言に基づき、教職調整額の改善など教員の処遇改善や人員体制の充実に必要な経費を求める。被災地を支援する新たな枠組み「Ｄ―ＥＳＴ（ディーエスト、Ｄｉｓａｓｔｅｒ　Ｅｄｕｃａｔｉｏｎ　Ｓｕｐｐｏｒｔ　Ｔｅａｍ）」の構築にも着手し、各都道府県における学校支援チームの連携体制や、被災地域外から教職員やスクールカウンセラーを派遣する体制を整備する

　７年度は国が掲げる「質の高い公教育の再生」に向けた集中改革期間の中間年度。働き方改革の加速化、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めるための必要な予算を求める。

　教職員定数の改善に向けては、小学校高学年で措置してきた教科担任制を中学年に拡充。学びの質の向上と持ち授業時数の軽減を図るほか、若手教師への支援、生徒指導担当教師の全中学校配置、小学校３５人学級の計画的な整備を進める。

　働き方改革を進めるためスクール・サポート・スタッフ、副校長・教頭マネジメント支援員、学習指導員の充実を図るほか、保護者など外部からの過剰な苦情に行政が対応する相談体制の構築に着手する。

　学校ＤＸの加速化を図るため、デジタル教科書の導入、次世代の校務デジタル化、生成ＡＩ活用の実証、教育データの利活用のための予算も要望。通信ネットワークの改善や授業・校務改善の好事例を横展開し、学校・教育委員会の伴走支援を強化する考え。

(国 2024-08-05付)