中教審特別部会　答申案を了承　「新たな職」８年度から任用　教師確保環境整備へ工程表

（国 2024-07-30付）

質の高い教師の確保に向けた総合的な方策工程表

　中教審の質の高い教師の確保特別部会は２６日、答申案「“令和の日本型学校教育”を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」を了承した。教師を取り巻く環境整備に向け、国や地方の取組を可視化したロードマップを記載。若手教師の支援などを担う「新たな職」導入に向けては、各都道府県・政令指定都市における判断のもと、８年度から任用を開始する方針を示した。

　同部会は５月１３日、「働き方改革の加速化」「指導・運営体制の充実」「教師の処遇改善」を一体的・総合的に進める改革案をまとめた「審議のまとめ」を文部科学大臣に手交。パブリックコメントの結果を踏まえ追記・修正した答申をまとめ、次回の中教審総会で提出する。

　今後のスケジュールをみると「新たな職」の制度化に向けて本年度から「新たな級」の創設に向けた検討を開始。７年度の夏以降、各都道府県等で条例を改正し、８年度からの任用・配置を目指す。

　「新たな級」は教諭（２級）・主幹教諭（特２級）の間に設け、学校マネジメント機能の強化や若手教師に対する支援のほか、心理・福祉などの専門性を有する教員が教育相談・特別支援教育コーディネーターを担当する場合などを想定している。

　現行の主任手当よりも高い処遇とする予定。各都道府県・政令指定都市の判断によって、各地域・学校で柔軟に対応できる仕組みとする。本答申後に具体的な制度設計を開始する。

　教職調整額を１０％以上に引き上げる給特法改正案に関しては、来年の通常国会に法案を提出し、７年度から各自治体で条例を改正する。

　教職員定数の改善に向けては７年度から小学校中学年における教科担任制の拡充を図るほか、生徒指導担当教師の全中学校への配置、副校長・教頭マネジメント支援員など支援スタッフの充実を目指す。

　保護者等からの過剰な苦情に対応するため、学校に代わって行政やスクールロイヤーが対応する法務相談体制を整備。

　休憩時間や継続した休息時間を確保するため、１１時間を目安とする勤務間インターバルの取組を進めるほか、早出遅出出勤、フレックスタイム制度、テレワークなどの留意事項・工夫事例を整理し、柔軟な働き方を進める。

(国 2024-07-30付)