文科省　児童生徒の自殺予防　健康観察システムを整理　リスク早期発見へ活用を

（国 2024-07-17付）

　文部科学省は１２日付で、児童生徒の自殺予防を呼びかける通知を全国の都道府県・指定都市教委に送付した。学校の長期休業明けに自殺者数が増加する傾向にあることから、保護者、地域住民、関係機関と連携して対策に取り組むよう要請。１人１台端末を活用した有償・無償の健康観察・教育相談システムをまとめ、活用をよびかけた。

　５年の児童生徒の自殺者数は５１３人となり、２年連続で５００人を上回った。内訳は小学生が１３人、中学生が１５３人、高校生が３４７人。動機は学校問題が２６１件と約６割を占め、学業不振、進路、学校問題、学友との不和の順に多い。

　通知では①学校における早期発見②保護者に対する家庭での見守りの促進③学校内外における集中的な見守り活動④ネットパトロールの強化―の４点を要請。

　リスクを抱える児童生徒を早期に発見・支援するため、民間企業等が提供する１６の健康観察・教育相談システムの料金や機能の詳細を整理して示したほか、グーグル、マイクロソフトの無償アプリを活用してアンケートを作成するためのマニュアルを周知した。

　悩みや困難を抱える児童生徒、いじめを受けたり不登校となったりしている児童生徒に対しては、長期休業期間中も機会を捉えて面談するなど様子を確認するよう要請。自殺を企図する兆候がある場合、教職員が抱え込まず、管理職や学校設置者と情報を共有して万全の対応を講じるよう呼びかけた。

(国 2024-07-17付)